“笑い”で転がす使命が、秋津にはある

――映画全体での役割ですか。

「今回、架空のゴジラという怪物と戦うわけですが、その討伐作戦は、客観的に見ると、“そんなんで勝てるわけない”という、全部仮定のものなんです。それを発表したときに、“穴だらけだろ”って、作品の中で笑いにまで持っていかないと、観ている観客も“だよな、無理だろ。でもやるんやな”と思ってくれない。ムズカシイと分かっているけれど、ゴジラに向かうんだと、笑いながらストーリーを受け入れてもらって物語を転がしていく必要がある。その“笑い”で転がす使命が、秋津にはあると思っていました」

佐々木蔵之介 撮影/冨田望

――そうした物語を運ぶ役割としての、キャラクターの役目についても客観的に考えていくんですね。

「山﨑監督も言ってましたよ。でも、そういう客観性というのは絶対に必要だと思うんです。監督の少し俯瞰でみながら、作品を作っていく姿勢が、すごくいいなと思いました。非常に穏やかで、制限の多いなかでも、現場で一切テンパることがないのは、相当な準備と、しっかりとした画の見えている人なんだろうと感じました」

 そうした客観性と穏やかさは、そのまま佐々木さんの姿にも感じられる。

――ご自身は次男ですが、いわゆる長男っぽいしっかりしたまとめ役やリーダー的な役回りが似合います。素のご自身もリーダータイプですか?

「全くもってないですよ」

そう言って笑う佐々木さんだが、こうして話を聞いたうえで、やはりついていきたいオーラ―が出まくっていた。

ささき・くらのすけ
1968年2月4日生まれ、京都府出身。劇団惑星ピスタチオの旗揚げに参加し1998年の退団まで看板俳優として全作品に出演。上京後はドラマや映画へと活動範囲を広げ、2000年のNHK連続テレビ小説『オードリー』で注目を浴びる。舞台『狭き門より入れ』(10)で読売演劇賞優秀男優賞を受賞、映画『超高速!参覲交代』(14)で日本アカデミー賞優秀主演男優賞受賞、『空母いぶき』(19)で優秀助演男優賞を受賞。現在放送中の主演ドラマ『マイホームヒーロー』は、来年映画版も公開予定。公開中の『ゴジラ-1.0』では特殊任務を請け負う船「新生丸」の艇長を熱演している。

●作品情報
映画『ゴジラ-1.0』
監督・脚本・VFX:山崎貴
音楽:佐藤直紀
出演:神木隆之介、浜辺美波山田裕貴青木崇高吉岡秀隆安藤サクラ、佐々木蔵之介
(C) 2023 TOHO CO., LTD.
配給:東宝 
公開:11月3日(金)、全国東宝系
上映時間:125分