「天才になれなかった全ての人へ」というキャッチコピーで一躍話題となった漫画『左ききのエレン』。作者のかっぴー自身も「天才」を意識しながらもがいた過去がある。かっぴーさんが「ここから、人生が始まった」とまで話す、THE CHANGE、人生の転機とは――。【第5回/全5回】

かっぴー 編集部撮影

 2015年、それまで勤務していたWeb制作会社を辞め、漫画家1本に絞ったかっぴーさんだが、そんなかっぴーさんを手放しで送り出す人は周囲に多くなかったという。

「これまでよく“会社員を辞めて、すごい勇気がありますよね”と言われてきましたが、ずっと“いかに失敗しないか”を人一倍考えているから、そこは自分を信用しているんです」

ーーかっぴーさんのいう「失敗」とは、たとえばなんでしょう?

「お金の心配をするようになることだったり、でも、それだけじゃなくて……」

ーーでは「成功」は?

「我慢しなくてよくなる、ということかもしれません。そう、我慢したくないんですよ。最近知り合いのご夫婦から聞いた話なんですが、“子どもが熱を出して大変なときに、夫が仕事を休んでくれない。なんとかしてほしいのに”と、大喧嘩になったと。

 僕は意味がわからなかったんです。なぜ仕事が休めないのか。実際は休めるでしょうに、休めないなんて。そうならないことが“成功”のひとつなのかもしれません」