女子大小路はホッとする、不思議な空間でした

──そんな美桜と剛力さんに、重なるところは?

「自分を曲げないところかな。もっとも、私はそのときの気持ちを、感情のままに口に出すことはありません(笑)。だから、美桜に憧れた部分もありましたね」

──美桜の立ち振る舞いは、大夏の前と、ホステスのときで、まったく違いました。

「ドレスやお着物のときは、ちゃんとした振る舞いをするよう心がけました」

──田中要次さんが演じる年上の大学教授の講義を、聴講生として聴くシーンもありましたね。

「彼女は恋心を抱いているので、スカートをはいて、女の子っぽいかわいらしさや、ピュアな感じを出すよう、意識しました。

 美桜は男勝りなだけではありませんし、年の差があっても、恋愛に年齢は関係ありませんから」

──舞台となった女子大小路の印象は?

「私が訪れたときは、昼間がほとんどで、ネオンも灯らず、シャッターも開いていませんでした。でも、なんだか懐かしい感じがしましたね。ホッとする、不思議な空間でした」

映画『女子大小路の名探偵』は池袋シネマロサ、ミッドランドスクエアシネマ他、全国で順次公開中 Ⓒ2023「女子大小路の名探偵」製作委員会

──映画の一番の見どころは、犯人探しですか。

「謎解きは純粋に楽しんでほしいですが、人間ドラマとしても面白いですよ。

 この映画には、美桜をはじめ、不器用な人たちがいっぱい出てきます。みんな、誰かを愛したり、誰かに愛されているのに、その気持ちをうまく表現できていません。そこが、かえって愛おしく思えました」

──なるほど。女優として活躍の幅を広げてきた剛力さんですが、昨年、デビュー20周年を迎えたそうですね。

「本当に、あっという間でした。でも、まだまだ、これからだなという感覚もありますよ」

──プライベートでは、8月に31歳になりました。

「30代になって、大人の仲間入りした気がするんです。上の方からは、30代なんて、まだまだ若いみたいに見られるんでしょうけど。  やっぱり“もう30か。ちゃんとしなきゃな”って思います。もっとも、20代の頃から、ちゃんとしなきゃって言っているんですけどね(笑)」

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 明るく元気にインタビューに応じてくれた剛力さん。ときおり、大人の女性らしいしぐさも見せてくれました。

衣装協力/VERMILION、Kengo Kuma + MA,YU スタイリスト/津野真吾(impiger)

■剛力彩芽(ごうりき・あやめ) 
1992年8月27日、神奈川県生まれ。O型。T164。2002年、芸能界デビュー。女性誌『セブンティーン』の専属モデルを経て、11年、『大切なことはすべて君が教えてくれた』(フジテレビ系)で本格的に女優デビュー。12年からは『奇跡体験!アンビリーバボー』(同)のMCを担当。以降、ドラマ、映画、舞台、バラエティ番組、CMなどで幅広く活躍中。