国民的ドラマ『相棒』シリーズの初代相棒・亀山薫。日本中から愛されるこの男を演じるのが俳優・寺脇康文だ。画面からは、本人の輝くばかりの人柄がつたわってくるが、映像、舞台でも活躍を続け来年で40年となる役者生活のなかで寺脇さんに訪れた「THE CHANGE」とはーー。【第1回/全5回】

寺脇康文 撮影/川しまゆうこ

 ボルドー色のスマートなジャケットは、ルパン三世を思わせる。スタイリッシュな佇まいもルパン三世そのもの。その場にいた誰もがそう思っていた瞬間、ご本人が言う。

「双葉社さんって、『漫画アクション』のですよね? ルパン三世が載っていた」

 そういって、とびきりの笑顔を見せてくれた寺脇康文さん。取材がはじまる前から、誰よりも率先して明るい雰囲気を作ってくれた。

 撮影中、THE CHANGEのシンボルである砂時計を持つ姿を、カメラマンに「マジックショーをやっているみたいですね」と言われると、「たららららら~~ん♪」とノリノリでマジシャンの仕草を披露。

 そして砂時計のくびれを滑り落ちる砂を指差し、「急かされているみたい! どんどん時が経っていくよ~!」と、おどけてみせる。

 旺盛すぎるサービスをしてくれる理由は「“おもしろい”って言われたいから」だという。

「“かっこいい”って言われてるより、“おもしろい”のほうが嬉しいんですよ。かっこいい人はごまんといるわけだから。“世界で一番かっこいい”と言われたら、いちばんうれしいかもしれないですね。そんなこと言われるわけないけど。
 だから“おもしろい”がいいんです。いや、“なんかいい!”のほうが言われたいかな」

 爽やかに笑い飛ばし、スタッフを軒並み笑顔にさせる寺脇さんだが、あの日にかぎっては、『相棒』のスタッフたちを泣かせたという。