“すごいスターになるぞ”
「まだ小学６年生とか中学１年生とかで、そのとき、大志がすごくよかったんですよ。“すごいスターになるぞ”ってその時話してて。そのとおりになりました」
ーーどんなところが、「スターになる」と感じたのでしょう。
「芝居に向かう気持ちが真摯だったんです。センスがあるな、と思って。笑いにも。撮影の合間に、コントとかして遊んでいたんですよ。急にあいつが“お客さん、どちらまで？”とか言い出して、タクシー運転手になってコントを始めるんです。それが高じていまは『ＬＩＦＥ！～人生に捧げるコント～』（ＮＨＫ）にも出ているけどね」
ーーそんなに昔から、お笑いのセンスの芽が出ていたんですね。
「そう。お笑いが好きなのもそのときから知っていました。そのあと、大人になってからまた１度共演したんですけど、今回、五朗ちゃんと“大志、いいよね”“ね、いいよね”なんて話して」
笑いのセンスもさることながら、ふたりが合致したのは、中川さんの仕事の取り組み方に対する評価だったという。
「取り組み方に嘘がないというか、“ほんとうにこれでいいのかな”というのを、常にちゃんと考えているんですよ。当たり前のことなんですけど、ほんとうに手を抜かない。中にはね、朝まで酒を飲んで酒臭い人もいますけど」
ーー週刊誌によく書いてありますね（笑）。
「仕事に対して、いろいろな取り組み方があるからいいんですけど、僕も五朗ちゃんも好きなのは、大志のような仕事への取り組み方なんですよね」
寺脇さん自身が真摯に仕事をして、そして人を見つめているからこそ、共鳴する才能を見い出すことができるのだろう。
■寺脇康文（てらわき・やすふみ）
１９６２年２月２５日生まれ、大阪府出身。１９８４年に三宅裕司主宰の劇団『スーパー・エキセントリック・シアター』へ入団し、１９９４年に岸谷五朗と共に退団後、演劇ユニット『地球ゴージャス』を結成。１９９６年４月から『王様のブランチ』（ＴＢＳ系）の初代総合司会を１０年間務める。２０００年から２００８年まで『相棒』（テレビ朝日系）で警視庁特命係の刑事・亀山薫役を務め、その演技が評価され主演・水谷豊と共に第１６回橋田賞俳優部門を受賞。２０２２年１０月１２日放送の『相棒ｓｅａｓｏｎ２１』で１４年ぶりに「５代目」相棒として復帰。
