『ケンミンSHOW』がくれたもの

水沢「『ケンミンSHOW』に出たことで大きな反響があって、いろいろな人たちが僕のことを知っているって状態になったことで、意識が大きく変わりました。常に誰かに見られているっていう意識ですね。それこそ歩き方からお酒の飲み方まで、変えましたから。ちゃんとしなきゃって。ちょっとナルシストっぽいんですけど、役者としては必要な意識だと思います。それを学べたのが大きかったですね」

水沢駿、黛英里佳 撮影/冨田望

黛「やっぱり『ケンミンSHOW』に出てから、いただくお仕事の内容も、量もガラリと変わりましたね」

 黛さんはつい最近、配信サービスのTVerで流れる「亀田の柿の種」のCMに出演し、『辞令は突然に…』ばりのコミカルな演技を見せている。これも『ケンミンSHOW』で演じたはるみのイメージでオファーが来たのだそうだ。また、熊本移住も『ケンミンSHOW』が後押しした部分もあったという。

「結婚してから、夫の仕事の関係で熊本に移住して、向こうで子どもも産んだんですけど、それも『ケンミンSHOW』で地方慣れしていたから、という部分も大きかったと思いますね」

『ケンミンSHOW』が2人にくれたものは、あまりに大きかった。番組は現在、『ケンミンSHOW 極』とタイトルを変えて続いているが、『辞令は突然に…』は休止したまま。

 水沢さんは「打ち上げしようよ、みたいな話も出ていたんですが、ちょうどコロナ禍が始まったばかりくらいの時期で、フワッと終わった感じでしたね」と話す。

 結婚後、熊本で2年間生活した黛さんは「どうしても『ケンミンSHOW』のコーナーは時間も限られてますし、紹介したいものがたくさんあるなかでのセレクトなのでどうしても限界はあります。でも、実際に住んでみたらもうちょっとコアな部分もあるんじゃないかな、と思いますね」とにっこり。出演を経て大きく成長した京一郎とはるみの姿を、もう一度見てみたい。

水沢駿(みずさわしゅん)
1979年大阪府生まれ。2000年から関西の劇団に所属し、07年にタレントデビュー。同年に『秘密のケンミンSHOW』(読売テレビ)内のドラマ「県の中心で愛を叫ぶ」に、主人公・東京一郎(あずま・きょういちろう)として出演。同ドラマは後に「辞令は突然に…」に発展し、爆発的な人気を誇る。その後も舞台やドラマなどで活躍している。

黛英里佳(まゆずみえりか)
1985年埼玉県生まれ。2004年にモデルとしてデビュー。舞台などで活動した後に、09年に「「辞令は突然に…」の東はるみ(旧姓:数寄屋橋はるみ)役を演じ、大人気となる。15年にはドラマ『新・牡丹と薔薇』(フジテレビ系)の小日向ぼたん役・吉田富貴子役(一人二役)として主演。20年に結婚し、熊本に移住後、第一子を出産。現在は東京に戻り、活動をしている。