シャルルと僕では、圧倒的に違います
「どの作品でも、同じ台本で同じト書きでも、演出家や監督、プロデューサー、脚本家が変われば、内容が変わってくる、ということは解釈がそれぞれあるわけですよね。自分にない解釈を聞いたうえでどれを選択するか、というのが楽しいところでもありますが、自分はこう思った、という気持ちも伝えたほうがいいと思っているので、白井さんとディスカッションするつもりでお話ししたら、一致する部分も多くありました」
ーーご自身と役というのは、かぶるところと違うところとあるんでしょうか。
「シャルルと僕では、圧倒的に違いますね。100年戦争を背負って王になる、血がそう言っているっていう状況で、僕にはそんな器はないし、父でも祖父でも叶えられなかった長きに渡る戦争の勝利に導く勇気もないし、そんなロジックも持っていない。何より母がいろんな人と関係を持っているような人だから、自分が本当の息子なのかわからない……。
僕はそういう状況に育っていないので、やはり理解が難しい部分はありますよね。
1450年代にこの戦争が終わりますが、その時代に実際に生きていた彼の思いを、2023年を生きる僕の目線で捉えて、僕なりにシャルルを描けたらいいなって思っています。
たとえばシャルルはどう思ってたんだろう。
この時代に生きていた人たちはどう思ってたんだろう。
シャルルを騙そうとしていた人はどう思ってたんだろう。
シャルルを導こうとしていた人はどう思ってたんだろう。
そういう目線で演じるだけでも彼に寄り添うことはできると思う。