初舞台は小学4年生。俳優・小関裕太の活躍は、ミュージカル、舞台、ドラマ、映画、MCと幅広い。28歳となった現在、その言葉は豊かで彩りに満ちているが、実は「話すのが下手で苦手だった」という。小関さんにとってのTHE CHANGEとはなんだったのかーー。【第2回/全5回】

小関裕太 撮影/冨田望

 清原果耶が主演する舞台『ジャンヌ・ダルク』で、運命の相手となるシャルル7世を演じる小関裕太さん。限られた時間の中で「現地を見たい」という思いでフランスに渡ったという。

ーー実際にフランスに行って、作品の世界観が染み込んできた感じはしますか?

「強く感じたのは、“祈りの強さ”でした。

 2024年に開催されるオリンピックに向けての盛り上がりを伝える、というNHKの番組でパリを訪問したんです。観光メインで伝えていた中、最後の最後に2019年4月にノートルダム大聖堂が焼け落ちたという、日本でも衝撃を与えたニュースの話題になりました。

 実際に、当時その火災を見た人に、どうでしたか、というのをインタビューさせていただく中で、燃え盛る大聖堂を見ながら、みんなで泣きながら祈ったと聞きました。

 僕だったら、危険だからちょっと離れようと考えるし、少し離れたところにいたとしたら、歴史的な瞬間に立ち会ってしまった。これを後世に伝えていこう、などと考えてしまいそうなのですが、彼らは泣きながら祈ったんだ、と。その想いの強さをお聞きして、日本人である僕が思う以上に、彼らにとって“祈り”って強いものなんだ、と思ったんです。僕らが簡単に触れてはいけない繊細さも感じました。彼らにとっての“祈り”を知ることができたことがフランスに行って一番大きかったことだと思っています」