初舞台は小学4年生。俳優・小関裕太の活躍は、ミュージカル、舞台、ドラマ、映画、MCと幅広い。28歳となった現在、その言葉は豊かで彩りに満ちているが、実は「話すのが下手で苦手だった」という。小関さんにとってのTHE CHANGEとはなんだったのかーー。【第3回/全5回】

小関裕太 撮影/冨田望

「もちろん僕にも「初舞台」の経験があります。初舞台は小4なんですよ」

 と、小関裕太さんは語りはじめた。子役出身で、キャリアは長い。そうした話かと思いきや、意外なほうに話は広がる。

「でも、僕にとって“舞台って難しい”と本気で思ったのが、21歳の時の楳図かずおさん原作・白井晃さん演出の舞台『わたしは真悟』でした。

 本当の意味での僕の初舞台って『わたしは真悟』なんじゃないかなって思うんです。

 もちろんそれまでも本気でやってたし、身を削って、プライドを持ってやってましたけど、白井さんに徹底的に演出をつけていただいて、ズタボロにされた経験を経て、今に至っています。だから『ジャンヌ・ダルク』で白井さんとまたご一緒できることがとても楽しみです」

ーー2023年の11月後半は『ジャンヌ・ダルク』ですが、前半の2月には、人気漫画『キングダム』の舞台でも王の役を演じていました。

「紀元前の中華の王を演じました。国も時代も違う王を演じるのは、すごく楽しみですね。『キングダム』での王を演じた時に、実際に王だけが感じること、苦悩や喜び、責任感とか、そういうものを作品を通して強く感じたんです。

 あの経験を経てシャルル7世を演じるからこそ、見えるものは沢山あるだろうなと思っています。この役をやりたいと思った理由でもありますね」