~『凪のお暇』について~

コナリ「明日、西荻窪に行くんですけどニヒル牛さんはやってますか?」
(※ニヒル牛は、石川さんの奥様が店長を勤める雑貨屋)

石川「毎日やってますけど、明日は妻は休みで、バイトの子ですね。”ワタクシ、『凪のお暇』の……”っていえばバイトの子もコナリさんだって分かりますよ笑」

コナリ「言わない言わない言わない言わない言わない! そんなこと出来るかい! 出来るヤツはキャンプの車で黄昏れたりしないんだよ!」

石川&長嶋「ハハハハハハハハハハ!」

長嶋「キャンプの車ってのは黄昏れちゃダメなのか。ウェ~イウェ~イってしなくちゃダメなのか。でも『凪のお暇』はそういう機微を描いた漫画だもんね」

石川「奥のサウナ室に誰かと行きたい」

コナリ「え? 最新話?」

石川「サッポロ零番の味噌ラーメン、塩ラーメン、醤油ラーメンを一緒に茹でたい」

コナリ「最新話見てくれてる! 最新話見てくれてる! 嬉しい!」

長嶋「食べ物が美味しそうなんだよね」

コナリ「食べ物が大好きなんで、隙あらば入れ込んじゃうんですよ。もうすっごい、今嬉しかった! ビックリしちゃいました!」

長嶋「でも『凪のお暇』面白いですよね」

石川「うん、面白い! 俺の世代だと絵柄でもう読めない漫画があるんだよね」

長嶋「コナリさんの漫画って中年にも優しいんだよね」

石川「ギャグシーンの入り具合もいいんだよね」

コナリ「え~! 嬉しい!」

長嶋「古き良き時代の漫画の面白さもあるし、最新の漫画表現のアップデートもあるって感じがするなぁ」

コナリ「ちょっとよせやい、よせやい! 私が褒めてもらえるターンが来た!」

長嶋「小学館漫画賞を取ったとき、僕も選考委員だったんだけど、ベテランの漫画家の委員の一人が”なんだ、これって思ったんだけど、めくってみたら面白くてさ”って言ってて」

コナリ「”君は絵が本当に上手くないけど、いいものを持ってるよ”って直接言われました笑」

長嶋「(同じ選考委員の)松田奈緒子さんが”そんなことないですよ、上手いんです”ってフォローに入ってくれて」

石川「どのジャンルでも世の中に長く残るものって最初に出てきた時は違和感があるんだよね」

長嶋「漫画は他に何か今追いかけてますか?」

石川「いや、今は無いですね」

長嶋「『凪』だけなんだ!」

コナリ「嬉しすぎる〜!」

石川「ハハハ、じゃあ病み上がりなんでそろそろ……」

長嶋「ありがとうございました~!」

コナリ「楽しかったです~!」

~喫茶店で2時間、居酒屋で4時間、計6時間、話題は尽きることなく、大いに盛り上がりました。人と人との出会いこそが『THE CHANGE』となることを実感した一日となりました。みなさん長丁場お疲れさまでした!~

■石川浩司(いしかわこうじ)
1984年、「たま」を結成。担当はパーカッション。89年の「イカ天」出演を機に翌90年にメジャーデビュー。2003年の「たま」解散後も精力的に音楽活動を続ける。

■長嶋有(ながしまゆう)
2002年、「猛スピードで母は」が第126回芥川賞受賞。2007年、「夕子ちゃんの近道」が第1回大江健三郎賞受賞。2016年、「三の隣は五号室」が第52回谷崎潤一郎賞受賞。

■コナリミサト(こなりみさと)
「凪のお暇」が「このマンガがすごい!2019」オンナ編第3位、「第65回小学館漫画賞少女向け部門」受賞、黒木華主演でテレビドラマ化。秋田書店「Eleganceイブ」にて連載中。