舞台が好きなのは、厳しい人が多いから

「ビシバシされたほうがいい。ぬるっと“あぁ〜いいよ〜それで”って言われると不安になっちゃうので。舞台が好きなのは、厳しい人が多いからかもしれないです」

ーーほんとうに舞台がお好きなんですね。

「好きです! 全部を解放できる感じがして。元々ステージが好きなんだなあとも思いますし、やっぱり舞台は、学べることが多いから年に2回くらいはやりたいです! 」

ーードラマとはどんな違いがありますか?

「ドラマが瞬発力だとしたら、舞台はみんなでイチから作っていく時間を要するのが違いでしょうか。そして、毎日毎日同じことをやる大変さと、お客さんからのリアルタイムのリアクション。ああ、私、お客さんの前でお芝居するのが好きなのかも。だからか、舞台上だとより一層力がみなぎる感じがします」

 冒頭の『テラヤマキャバレー』について改めて聞くと、「想像できない世界が広がる、エンタメ性に富んだ舞台になると思う」と予想する。

ーーそういえば、この舞台は香取慎吾さん、NHK大河ドラマ青天を衝け』と映画『サバカン SABAKAN』では草なぎ剛さん、そして舞台『No.9ー不滅の旋律ー』では稲垣吾郎さんと……と、ここ2,3年で新しい地図のみなさんとご縁がありますよね。

「たしかにそうですね。香取さんはまだお会いしていませんが、草なぎさんも稲垣さんも、瞬発力の天才。歌も踊りもお芝居も、そしてバラエティーも、いろんな人といろんなことをやらなきゃいけない環境で、そういった力が身についていかれたのかな……と思いました。

 深く考えなくても身体から出てきている感じといいますか。やっぱり、時代を引っ張ってきた方ってかっこいいなあ、と思いました。あんなふうになれたらいいですよね」

 共演者、演出家、そしてお客さんとーー日々刺激し合い、日ごとに変化してゆく舞台の醍醐味を語る村川さんの横顔は、より輝きが増していた。

■村川絵梨(むらかわ・えり)
2002年、ユニット「BOYSTYLE」のメンバーとして歌手デビューしたのち、2004年に映画「ロード88 出会い路、四国へ」で主演を務め、本格的に俳優業に進出。2005年後期放送のNHK連続テレビ小説『風のハルカ』のヒロインに抜擢される。2008年放送ドラマ『ROOKIES』(TBS系)でマネージャー役を好演。ドラマ、舞台、映画と幅広く活躍している。2023年にはムロツヨシ主演のドラマ『うちの弁護士は手がかかる』(フジ系)で個性的なやり手弁護士を演じた。