「弁当をもらったからという理由で、バスに乗ってそこまで連れられてきていた」

――何気にというと失礼ですけど、大作ですからね。

「ワンシーン、ワンシーン、大変でした。あと後半に(片岡)愛之助さんと(ハイヒール)モモコさんが登場する、祈りの場がありますよね。あそこはかなりのエキストラさんたちが登場していますけど、都内に集合して、バスで関東圏のロケ地に移動して撮影したそうなんです。朝、集まった方たちに、弁当を配ってバスに乗って行ったらしいんですけど。聞いた話だと、実際にロケ地に着いた人たちの中に、エキストラじゃない人たちが混じっていたと。弁当をもらったからという理由で、バスに乗ってそこまで連れられてきていたと」

――え!?(苦笑)

「弁当を持ってバスに乗り、よくわからない土地に連れられてきて、よくわからないけど、みんなと一緒になって全員衣装に着替えさせられてから、初めて“これ、なんですか?”という人が何人かいたらしいと。“そんな現場あるかよ!!”って。

 ご覧になるとわかると思いますが、実際、あのシーンってすごいじゃないですか。リハーサルが始まって、みんなで祈りはじめて、凄まじい動きをするわけです。本当に精神的にヤバくなりそうだった人までいたっていう。それくらいおかしな現場だったらしいですよ」

 苦労を尋ねた質問に、自分のエピソードではなく、ほかのキャストやエキストラたちが大変だった話を重ねる姿に、GACKTさんの人柄がにじみ出ている。

■GACKT
1973年7月4日生まれ。バンド活動を経て、99年にソロになる。ミュージシャンという枠にとらわれず、“表現者”として活躍。03年公開の『MOON CHILD』では原作・脚本・主演として作品に関わった。07年の大河ドラマ「風林火山」(NHK)で上杉謙信を演じ、大きな注目と支持を集めた。09年より出演のバラエティ番組「芸能人格付けチェック」では圧倒的な活躍で、老若男女にGACKTの一流ぶりを見せつけることとなった。2019年、二階堂ふみとのW主演による映画『翔んで埼玉』が大ヒット。第43回日本アカデミー賞で優秀主演男優賞を受賞。2023年、続編『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』が公開された。

映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』
原作:魔夜峰央
監督:武内英樹
脚本:徳永友一
音楽:Face 2 fAKE
出演:GACKT、二階堂ふみ、片岡愛之助 ほか
(C) 2023 映画「翔んで埼玉」製作委員会
配給:東映 

ヘアメイク/タナベコウタ スタイリスト/Rockey