「RINJIN」「パヤパヤ」などのヒット曲で知られるバンド『LA-PPISCH』(以下、レピッシュ。“A”はウムラウト付き)。そのフロントマンで、ボーカル・トランペットを担当するのがMAGUMIだ。2023年でバンド結成40年、MAGUMIさんの長い音楽人生の「THE CHANGE」に迫る。【第1回/全5回】

MAGUMI 撮影/松野葉子

「MAGUMIって、芸名じゃないんだよね。小学2年生から呼ばれているあだ名。なにか意味があったわけじゃないけれど、中、高でもそう呼ばれていたから定着した」

 コム・デ・ギャルソンの服に身を包み、軽やかに語り始めたレピッシュのMAGUMIさん(60)。還暦とは思えない若々しさで、まわりを明るい雰囲気に一変させた。

 今年でレピッシュは結成40周年を迎えた。9月にはクラブチッタ35周年を記念し、同所で10年ぶりのワンマンライブを開催。満員のオーディエンスに迎えられ、健在ぶりをアピールした。バンドのフロントマンであるMAGUMIさんに、彼の原点ともいえる音楽活動を始めたきっかけを聞いた。

 レピッシュという変わったバンド名は、ドイツ語が由来だ。ドイツ語から選んだのには、結成当初の80年代ならではの理由があったという。

「レピッシュの前身となったバンド『スウィンドル』に、恭一(杉本恭一・レピッシュのギタリスト)がいたんです。スウィンドルは、『ザ・グレイト・ロックンロール・スウィンドル』(1980年公開・セックス・ピストルズのドキュメンタリー映画)から取っているから、当時は、スウィンドルっていうバンド名が多かった。スウィンドルに加入することになった時に、バンド名を新しくしようってなった」