レコードが全国流通で発売することに
現代のようにYouTubeどころか、音楽配信サービスがなかった時代。アマチュアバンドがレコードを出すということは、大きな出来事だった。
「僕らの一番古い作品は、『EastWest』(*1976年~1986年まで開催されたヤマハ主催のアマチュアバンドのコンテスト)で決勝に残ったアーティストの演奏が収録されたオムニバス。でも僕らが話題になったのは『JUST A BEAT SHOW』(*1986年3月に開催されたライブが収録されたアルバム)です。
最初はTHEJUMPSというバンドの呼びかけで、THE LONDON TIMES、THE BLUE HEARTS、ホルモンズというバンドたちでレコーディングされたんです。でも録音に失敗したみたいで、既に解散してしまっていたホルモンズの代わりに選ばれたのがレピッシュだった。そこからライブでのお客さんも増えていった」
口コミで観客が増えていき、ついには単独でアルバムリリースが決定する。MAGUMIさんはその時のことを今でも鮮明に覚えているという。
「レコ発ライブは、渋谷LIVE INに800人ほど集まったからね。アマチュアバンドでそんなにお客が入るバンドなんていないから、ライブを観に来ていたレコード会社から声が掛かった。その頃に『宝島』に声を掛けられて、宝島のレーベルだった『キャプテンレコード』からアルバムを出さないかって話が来たんです」
今もライブの定番曲である『アニマルビート』、『HARD LIFE』が収録されている『ANIMAL BEAT』。インディーズとはいえ、全国流通したことは大きな転機だった。