昨年最も顔を知られた新人俳優と言ってもいいのではないだろうか。NHK連続テレビ小説ブギウギ』で、趣里演じる福来スズ子の弟・六郎として愛された黒崎煌代。2022年に開催されたオーディションに合格して芸能界入りし、2023年に入って俳優デビューを飾った。そのテレビドラマデビューが朝ドラという強運と、決して運だけではないダイヤの原石であることは、すでに『ブギウギ』を見ていた視聴者には証明済みだ。これからが楽しみでしかない黒崎さん。眩しい21歳のTHE CHANGEとはーー。【第4回/全4回】

黒崎煌代 撮影/冨田望

 2023年が俳優デビューの黒崎さん。ドラマデビューは朝ドラ『ブギウギ』、映画デビューは11月に公開された『さよなら ほやマン』だ。朝ドラでは趣里演じる福来スズ子の弟・六郎を演じ、宮城県石巻市の離島を舞台にした『さよなら ほやマン』では、二人組バンド「MOROHA」のMC・アフロ演じる主人公アキラの弟シゲルに扮した。どちらも重要な役どこである。

 2022年にレプロエンタテインメントのオーディションに合格したばかりだった黒崎さん。『さよなら ほやマン』は、事務所のオーディション合格特典である1年間の無料ワークショップ期間中のオーディションだった。

「シゲルはすごくやりたい役でした。初めていただいた役でしたが、障がいを抱えている役で、最初に台本を読んだときに『ギルバート・グレイプ』のストーリーラインを参考にしていると感じたので、レオナルド・ディカプリオの位置にあたる役どころであるシゲルを絶対に演じたいと思って本気でオーディションに臨みました」

 同時に、オーディションで力を出し切った黒崎さんは、ある意味、そこで満足だったとも振り返る。

「プロの映画監督に初めて会って、自分のことを初めて見てもわったわけです。テンション上がりますよね。その日までに、マネージャーにも演技を確認してもらって意見をもらって、何度も練習していったんですけど、終わったときに、庄司(輝秋)監督から笑顔で“良かったです”と言ってもらいました。それで満足しちゃって。マネージャーにも“良かった”と言われましたと伝えたら、“そう、良かったね”と。そしたら受かってたんです」

 しかし合格までに少し時間があったそうで。

「聞いたときは有楽町の街中だったんですけど、叫びました。“本当ですか! それ、本当ですか!”って(笑)。みんな振り返ってました。でもそんなこと気にならないくらい嬉しかったです。夢がかなった瞬間でした」