身にまとうのは黒パン1枚。あとは奇声と表情を武器に爆笑をさらうーー。一度見たら忘れられない強烈なインパクトを誇る芸人・ハリウッドザコシショウ。いまや賞レース審査員を務めるほどだが、そこに至るまでには数多くの「THE CHANGE」があったーー。【第6回/全6回】

ハリウッドザコシショウ 撮影/冨田望

 2023年12月30日、テレビ神奈川で年末特番『提供ハリウッドザコシショウ』が放送された。これは、ザコシショウさんが自腹で放送枠を買い、制作費も全額出資。スポンサーも制作も演者もぜんぶ一役でこなし、地上波でできないような“やりたいこと”を詰めこんだという。

――今回、テレビ番組の枠を買ったのは、別にお金を稼ぐとかではないわけですよね。
「いや、損する一方ですよ(笑)。だって僕、ウン百万も支払うんですよ? 新車が買える値段です。でも、地上波番組のオファーを待っているだけじゃ、自分がやりたいことを絶対にさせてもらえないので。だから、自分でお金を出して番組を買うのが1番早いと思ったんです」

 破天荒な芸風のザコシショウさんだが、コンプライアンスが厳しい昨今のテレビをどう感じているのか。 

「テレビに出る以上は、しょうがないですよね。ただ、コンプラの天井があるとしたら、そのギリギリをかするか、皮一枚を残してえぐっていきたい。そこらへんは、テレビ番組の打ち合わせで、いつもディレクターさんと確認しているんです。僕のこのネタは大丈夫か、って。
 ちなみに、インパルス堤下敦の誇張ものまねは、ほとんどの番組でNGでしたけど『さんまの向上委員会』(フジテレビ系)だけがOKしてくれました(笑)。だいぶ攻めてますよあの番組。スタッフが最先端の笑いを追い求めている。でも、あの番組でウケたネタって、ほかの番組でやると絶対にスベるんです。だから、まだまだ時代が追いついていないかもしれない」