2023年に『千鳥の鬼レンチャン』で大ブレイクした芸歴40年を超えるピン芸人・ほいけんた。58歳にして国民的な存在となり、全世代を沸かせている。明石家さんまモノマネの第一人者としても知られるほいさんの「THE CHANGE」とはーー。【第1回/全5回】
ほいけんたさんに取材場所として指定されたのは、カラオケボックスだった。
これは……もしかしたら……テレビで話題のアレが目の前で、ナマで、観られるのかもしれない……。
そんな期待が隠しきれない取材者の前に「よろしくお願いします」と、現れたほいさんは、おなじみの『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)で見る印象よりかなりの長身。そして、スマートに見える。
そして、こちらもおなじみのかすれた明石家さんまさん声とはまったく違う、内臓に響くような、低くて渋い声で「よろしくお願いします」とあいさつ。思わず「とても身長が高くて、テレビの印象とはだいぶちがいますね」と伝える。
「営業先でもよく言われるんです。みなさん、さんまさんと『鬼レンチャン』でちぢこまってカラオケを歌う姿しかイメージがないから。
営業で歌ったあとには、お客さんが駆け寄ってきて“あんた、すごいじゃない!”と。見直してくれるんですよね」
そう話しながら、ほいさんはテーブルの上にメイク道具を広げ、顔にファンデーションを塗っていく。
「インタビューは、写真を撮りながらやるでしょう? さんまさんの表情とか、やったほうがいいですもんね」
1983年、俳優として芸能界入りしたほいさんは、2024年で芸歴41年目に入る。誰よりも先に明石家さんまさんのモノマネをやったのは、90年代初頭だった。