「怖いプロデューサーがニカッと笑って、“ほかのネタもやってみてよ”と」

「フジテレビの『発表!日本ものまね大賞』のオーディションに参加しました。プロデューサーが厳しくて会場がピリピリしていて、うわあ、怖いなあと思っていて。それで、プロデューサーの前に後ろ向きで立つと、振り向いて、さんまさんの表情をパッとやったんです。
 そうしたら怖いプロデューサーがニカッと笑って、“ほかのネタもやってみてよ”と。あ、受かったな、と思いました。それで初めて、テレビでさんまさんのモノマネをやることになったんです」

 同番組の司会は、なんとさんまさん本人。ほいさんのモノマネに、出演していた研ナオコさんが爆笑していたという。実はそれから長らくテレビで披露する機会はなかったというが、転機は正攻法ではない角度から訪れた。

「『さんまのSUPERからくりTV』(TBS系)のプロデューサーが異動するから、送別会をやるといって、”その場で流すサプライズ映像に、さんまさん役で出演してほしい”と言われたんです」

 ほいさんは「デフォルメされたさんまさん」ではなく、それまで誰もやっていなかった日常でのさんまさんを演じた。VTRだけで送別会に参加していなかったほいさんに、現場での反応は届かなかったというが、のちにこう確信したという。

「これがね、運命だったと思うんですよ」

 2013年10月20日に放送された『行列ができる法律相談所』(日本テレビ系)。さんまさんがMCを担当したこの日の放送には、『からくり〜』のスタッフも制作に携わっていた。

「それで、僕に連絡が来たんです。“さんまさん役で再現ドラマに出てくれませんか”と。それを観たさんまさんは、ワイプの中で“貧相やな〜!”と言いながら、しかめっ面をしたり笑ったり、大盛り上がり。スタジオの空気もよかったそうです」

 これを機に、ほいさんへの再現ドラマでのさんまさん役の需要がいっきに高まり、以降、『さんま&SMAP!美女と野獣のクリスマススペシャル』(日本テレビ系)、『明石家さんまの転職DE天職』(同)などで再現ドラマに出演、2018年3月18日放送『行列〜』では、さんまさんの元妻である大竹しのぶさんと初共演するまでに至った。