「設定がぶっ飛んでいて面白い話なんで、お芝居は真面目に演じてほしい」
演じた近江晴樹は滋賀解放戦線員。見た目は『七人の侍』で三船敏郎さんが演じた菊千代みたいな豪傑漢。だから、刀をブンブン振り回すカッコええ役かと思ったら、ずっと背中が曲がっている役でした(笑)。
武内監督からは「設定がぶっ飛んでいて面白い話なんで、お芝居は真面目に演じてほしい」って言われたんですよ。でも、これまで、ずっとふざけた芝居しかやってこなかったから、すっげえ緊張しましたね。こんなにプレッシャーを感じたのは高校受験以来とちゃいますかね(笑)。
そのプレッシャーからセリフを噛んだり、飛ばすことも……。一度は、武内監督が怒って飛んできたこともありましたね。でも僕自身は褒められて伸びるタイプなんで(笑)、武内監督に「褒めてください。怒るのやめてください」ってしきりに言いましたよ。でも、役に入り込むのはすんなりできたんです。もちろん台本や、監督の説明が的確っていうのもあったと思いますけど、僕自身、そうでもない女をグッと好きになったりできるタイプなんで、それと一緒ですかね(笑)。