お笑いコンビオードリーの春日俊彰、マンガ『かりあげクン』など俳優・戸塚純貴が演じてきた役は、強烈な印象を残すものが多い。2024年はNHK朝ドラ『虎に翼』出演も決まった唯一無二の個性を持つ戸塚さんだが、俳優として歩み始めた当初は悩みもあったとか。そんな戸塚さんのTHE CHANGEとは?【第2回/全4回】
俳優・戸塚純貴さんの芸能界デビューのきっかけは、ジュノン・スーパーボーイ・コンテストだ。武田真治さん、小池徹平さん、中村蒼さん、溝端淳平さんらを輩出してきた雑誌『JUNON』主催のコンテストであり、若手俳優の登竜門のひとつである。戸塚さんは『花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011』で俳優デビュー。
そして「役者を始めて、翌年には『仮面ライダーウィザード』にも出させていただきました」と振り返る。
傍目にはとんとん拍子だが、戸塚さん自身は違和感を抱えていたという。
「当時の僕には何もなかったので当然なんですけど、どうしても『仮面ライダー』の人とか、ジュノンボーイ出身の人といった“パッケージ”でくくられて見られることが多かったんです。それが僕のなかではあまりしっくりこなくて。パッケージではなく、戸塚純貴として見てほしいと思うようになりました」
俳優としてやっていこうという強い意志があればこそだろう。だが“パッケージ”は強い武器でもある。それを使わないのならば、“戸塚純貴”としての武器がいる。それがいま戸塚さんの芝居のなかでも特に輝きを放っているコメディだったのだろうか。
「単純に好きなものがコメディだったんです。20代前半って、その時にしかできないこともありますし、その頃はイケメンブームもありました。だけど、僕はそうじゃない方向で進んでいったんです(笑)。技術もなければ、自分がどういう風にしたらどういう風に見られるのかといったことも、当時はまったくわかっていなかったのに。
ただ自分の好きなことは分かっていました。だから僕としては、とにかく喜劇やコメディをやり続けるしかなかったんです」
――好きなコメディを始めてみて、すぐにうまく進みはじめましたか? それとも上手くいかない時期もあったのでしょうか。