ストレスを負荷だと感じないような人でありたい
ーー変身願望があるんですね。
「ないですか? たとえばライターさんなら、よりよい文章をもっと書けるライターになりたい、とか。僕なら、もっとよりよい表現をしていきたい……と思うこともひとつの変身願望だと思うんです。変われるもんなら、日々変わりたいです」
ーーどう変わりたいのでしょう。
「もっと心が広くなりたいとか、そういうことですよね。こんなことでいちいちイライラしたくないとか、もっと人を許せるようになりたいとか。生きていて、仕事をして人と関わると、必ずいろんなストレスに直面するわけですよね」
ーーそうですね。常に負荷がかかっています。
「僕自身はサラリーマン社会の中で生きたことがないし、わりと自由に生きているとはいえ、必ず常に負荷がかかって生きている。そういったストレスを、負荷だと感じないような人でありたい、とかね。ムリだけどね。ガンジーにはなれないから。人間でいたいし、許せないことは許せない、でいいんだけど」
ーーたしかに、急にノーストレスにはなれません。
「大きく変化するのはムリだけど、自分が生きる道程のなかで、自分にかかわった人たちが少しでも豊かさを感じられるような、そんな人になりたいなあと思います」
向き合ってほんの5分ほどの間に言葉を尽くしてくれた萩原さんの「許せる人でありたい」「でも、許せないことは許せないでいい」という落としどころは、ままならない日常を生きる大人にとって、十分な逃げ道になりそうだ。
■萩原聖人(はぎわら・まさと)
1987年に俳優デビュー。90年、テレビドラマ『はいすくーる落書2』(TBS)で注目を集め、93年、『学校』(山田洋次監督)、『教祖誕生』(天間敏宏監督)、『月はどっちに出ている』(崔洋一監督)で日本アカデミー賞優秀新人俳優賞と話題賞(俳優部門)、95年、『マークスの山』(崔洋一監督)、97年には『CURE』(黒沢清監督)で同賞優秀助演男優賞ほか数々の賞を受賞。以降もドラマ、映画、舞台、ナレーションなど幅広く活躍している。2024年1月11日より「牙狼<GARO> ハガネを継ぐ者」(TOKYO MX・BS日テレ)、1月21日より「厨房のありす」(日本テレビ)の放送を控える。
特撮ドラマ『牙狼<GARO> ハガネを継ぐ者』
原作:雨宮慶太
監督:松⽥康洋、⽥中佑和、⽊村好克
アクション監督;鈴村正樹
脚本:兒玉宣勝、吉﨑崇⼆
出演:栗山航、仲野温、中澤実子、黒谷友香、萩原聖人
放送期間:2024年1月~3月
放送局:TOKYO MX、BS日テレ
製作/制作:東北新社