思い切りのいい発言と、とにかく明るい笑い声で、ラジオリスナーから圧倒的な支持を得ている外山惠理アナウンサー(48)。外山さんの番組には、いつも春の陽射しのような温かさが満ちあふれている。しかし、その温かさは数々の壮絶な「CHANGE」を経たからこそ、生まれたものだった。【第3回/全5回】

TBS・外山惠理アナウンサー 撮影/三浦龍司

面白くないのに笑えない

 多くのラジオ番組で活躍する外山惠理アナウンサー(48)は、歯に衣着せぬ物言いと明るい笑い声でラジオリスナーから支持されているが、ここに来るまでには苦難の経験があった。

 入社の翌年に、人気バラエティ番組のアシスタントに起用されるも、期待された役割を果たせず、テレビの画面から姿を消してしまったのだ。

外山「面白くないのにみんなが笑っているっていう、この現象ってなんだろうって考えて、ぜんぜん笑えなくて。自分よりもっとふさわしい人がやるべきですって言ったんですけど、上司からは“そんなの新人が言うことじゃない”と突っぱねられて。確かにそれはそうですよねって感じだったんですけど。

 自分の中ではこうするべきだってわかっていたし、ここで自分が変わろうって、頭ではわかっていたんですけど、それができなかった。体がついてこなかったんです」

 その後、外山さんはテレビを外れ、永六輔さんのラジオ番組『土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界』のアシスタントに入るが、テレビの印象が強かったのだろう、アシスタントが告知されただけで、番組リスナーから“永六輔さん、怒らないでくださいね”など心配するハガキが届いたという

外山「そのハガキに永さんが一枚一枚、返事を書いてくれたんです。“外山さんのいい部分を見てあげてください”って。それだけで、この人を信頼していきたいって思いましたね」

 以来、外山さんは番組の終了までアシスタントを務めあげた。テレビではなくラジオこそが、外山さんの生きる場だったのだ。