自分が嫌なことは人にはしたくない

外山惠理 撮影/三浦龍司

 達観したかのような考え方。ピンチの中で強くなったのだろうか?

外山「そのときは笑って話せませんでしたけどね。“この番組に何人の人間が携わっていて、家族が何人いると思っているんだ、この番組がうまくいかなかったらどうしてくれるんだ”って言われて、22歳の子にそんな重いもの背負わされてもって思いましたし。まぁ、今、笑って話せるということは、強くなったのかもしれませんね。ただ過去に戻りたいとは、まったく思わないです。戻るならベビーカーに乗っているぐらいの年齢がいいですね。

 昔に戻ったら今度はうまくできますかって聞かれても、たぶんできないです。嫌なことは今でも嫌だから、自分がされたら嫌なことは人にはしたくないんですよ。やっぱりテレビは向いていないんですね。今さら、テレビに戻れとは、誰も言わないと思いますけど」

 テレビから外れ、ラジオという居場所を見つけた外山さん。ラジオに対する思いは熱い。

外山「永さんのこともありますし、いろいろ携わってきてくれた方たちのためにも、ラジオで頑張っていきたいですね」

 決意に満ちた瞳で語る外山さん。その表情は強く、美しかった。

外山惠理(とやま・えり)
1975年東京都墨田区生まれ。慶應義塾大学を卒業後、1998年にTBSへアナウンサーとして入社。入社2年目からテレビのバラエティ番組に起用されるも、その後はラジオを中心に活躍。『土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界』のアシスタントを長く務める。現在は『金曜ワイドラジオTOKYO えんがわ』のパーソナリティのほか、アシスタントから街頭リポーターまで、幅広く活躍している。