玉袋筋太郎さんの素晴らしさ

外山惠理 撮影/三浦龍司

外山「永さんって、ガンコじじいで怖くてみたいなイメージがあったみたいで、会う人会う人に“永六輔さんって怖いでしょ”って言われていたんです。でも、そう言ってくる人って、永さんに怒られたことがあるか、うまくいっていなかった人だと思うんですよ。

 でも永さんって、かわいい面がすごくあったんですよ。かわいいっていうのは失礼ですけど。物知りで優しい、よく笑う水戸黄門みたいな感じで。だから番組の途中からは、本当はそういう人なんですよっていうのを、世間に伝えたい、世間のイメージを変えたくてやっていたようなものでしたね」

 その気持ちは現在のパートナー、玉袋筋太郎さん(56)でも同じだという。

外山「玉さんは永六輔さんに通じるところがあるんです。自分で行って自分で見たことしか話さないところとか、ときどき懐かしいなって思ったりしますね。いろいろなことを勉強しているし、本もたくさん読んでいる。でも、照れ屋だから、テレビだとちょっと怖いお兄さんみたいなイメージかもしれないですけれど。そうじゃないんだってことを、私は伝えたいんですね。

 だから、私自身の話は正直どうでもいいんですよ。パーソナリティって、自分の話をするのが好きな人に向いていると思うんですけど、私は好きじゃないので、向いていないんですよね。それよりも、相手の面白いところを引き出したい。そういう理由もあって、番組に私の名前はつけないでくださいってお願いしているんです」