街の人にラジオの良さを伝えたい

 自分じゃない人の面白さをみんなに伝えたい。外山さんは入社25年目のベテランにもかかわらず、『土曜ワイドラジオTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送』で街頭リポーターを務めているが、それも“伝えたい”気持ちからだという。

外山「“ベテランに外回りさせるなんて”っていう声もあったんですけど、これにはずっと外回りをしている毒蝮三太夫さん(87)の影響があるんです。

 まむしさん、“おまえら、スタジオでぬくぬくしやがって”って、よく言っていたから、外に出たらどんな気持ちなのかが知りたくて。あとは、TBSラジオを聞いたことがない人がいっぱいいるから、そういう人たちに楽しさを伝えたいっていうのが、大きかったですね。

 中継が終わった後に、周りの人と話したりするのがすごく楽しいんですよ。残念なのは『ちゃきちゃき』は土曜午前中の放送なので、金曜の夜に飲みに行けなくなったことぐらいですね(笑)」

外山惠理 撮影/三浦龍司

 永さんのかわいさを伝えたい、玉袋さんの人の良さを伝えたい。そして、ラジオの楽しさを伝えたい。自分はさておき、人に面白いことを伝えるのが、外山さんの使命なのだ。

外山「TBSラジオって、ちょっとその知名度にあぐらをかいているところがあるんですよ。だから、自分から外に出ていって、まだTBSラジオをご存じない方に“ラジオって面白いんですよ”ってアピールしていくことが必要じゃないかなって思うんですよね」

「あぐらをかいている」と言いながらも、自らTBSラジオの楽しさを外に出て伝える。外山さんは生粋のラジオ人なのだろう。

 永六輔さんは、自らをラジオ屋と称していた。外山さんもその境地に達しつつあるのかもしれない。

外山惠理(とやま・えり)
1975年東京都墨田区生まれ。慶應義塾大学を卒業後、1998年にTBSへアナウンサーとして入社。入社2年目からテレビのバラエティ番組に起用されるも、その後はラジオを中心に活躍。『土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界』のアシスタントを長く務める。現在は『金曜ワイドラジオTOKYO えんがわ』のパーソナリティのほか、アシスタントから街頭リポーターまで、幅広く活躍している。