リセットになるし、チャージにもなる

 暮らしまでがらりとCHANGEさせるに至ったのは、そういった仕事のためーーではなかった。

「行き帰りの移動時間が、大切な“チェンジする時間”なんですよね。オンとオフ、アーバンとカントリー、とか。そういった両面があるからいままでこの生活を続けることができたんじゃないのかなと思います」

 黒谷さんが出演している特撮ドラマ『牙狼<GARO> ハガネを継ぐ者』(TOKYO MX、BS日テレ)はCGがふんだんに使われている作品だが、「CGなどを使って頭の中で作り上げる世界ですが、千葉での生活は、創造力を自然の中で取り戻す時間にもなっている」と話す。

「リセットになるし、チャージにもなるし。そういう感じで25年以上ずっとやっています」

ーー20代のころは特に、都会への憧れが募る時期かと思います。

「都会で遊ぶ、ということがあまり合わなかったように思います。もともと、自然の方が好きでした。もちろんそういう場も楽しいと思いますけど、そこで人脈を広げることや遊ぶことにそこまで興味が持てなくて、だったら花を植えたり動物に触っていたり何かを作っている時間のほうが、わたしは楽しかったんです」

ーー自然の中で、人間以外の植物や動物とコミュニケーションを取るとき、どんなことを考えていますか?

「たとえばガーデニングをしていて、うまくいくときといかないとき、“原因はなんだったんだろう”と考えたり。あと、木の柵にする場合と石を柵にする場合で、ずっと残るものと朽ちていつかなくなるものがあるんだと、そういったふたつの価値観があるんだということを考えるようになりました」

 自然の中で得た発見は「お芝居の中でも生かされている」という。

「こっちで得たものを向こうで、逆に向こうで得たものをこっちで、というふうに、自然と相乗効果になっている気がします」

 都会と自然を行き来する黒谷さんだからこそ、深みのある価値観を身につけたのだ。

■黒谷友香(くろたに・ともか)
1975年12月11日生まれ、大阪府出身。高校在学中に『mc Sister』の専属モデルオーディションに合格しモデルデビュー。その後、女優として様々な話題の作品に出演し、近年では、『波よ聞いてくれ』(テレビ朝日系)をはじめ数々のドラマや映画に出演。1月11日よりスタートした特撮ドラマ『牙狼<GARO> ハガネを継ぐ者』(TOKYO MX、BS日テレ)にレギュラー出演。

特撮ドラマ『牙狼<GARO> ハガネを継ぐ者』
原作:雨宮慶太
監督:松⽥康洋、⽥中佑和、⽊村好克
アクション監督;鈴村正樹
脚本:兒玉宣勝、吉﨑崇⼆
出演:栗山航、仲野温、中澤実子、黒谷友香、萩原聖人
放送期間:2024年1月~3月
放送局:TOKYO MX、BS日テレ
製作/制作:東北新社