その期待を超える自分は「どこにいるのだろう」という模索から始まります

――作品に誠実であることで、おのずと関係性ができていくんですね。

「僕は37歳です。今の話の延長になるのかなと思いますが、このところ人間として役者としての大東駿介を理解したうえでお話をいただくことが増えてきました。本当にありがたいことですし、嬉しいです」

――大東さんだからお願いしたいと。誠実に向き合ってきた結果ですね。

「そうなると“やった!”ではなく、その期待を超える自分はどこにいるのだろうという模索から始まります。やりがいだし、楽しいです。『罪と悪』もそうです。あのときの飲み屋での話から、どれくらいの思いを持って監督は脚本を書いたんだろうと。この作品は、監督の故郷である福井が舞台で、撮影もしました。そうしたひとつひとつの思いや、かけた時間を理解していくことが、より自分の熱意に変わっていきました」

 映画製作では、その作品のためにスタッフもキャストも集まり、解散していく。同じ組は1度しかない。そのひとつひとつを大切にしてきた大東さんだからこそ、また新たな出会いが生まれていく。

大東駿介(だいとう・しゅんすけ)
1986年3月13日生まれ、大阪府出身。2005年ドラマ『野ブタ。をプロデュース』でデビュー。09年後期の連続テレビ小説『ウェルかめ』で注目される。12年には大河ドラマ平清盛』に出演。近年の主な出演作にドラマ『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系)『大奥 Season2「幕末編」(NHK)、映画『バイオレンスアクション』『Gメン』など。現在、ドラマ『仮想儀礼』(NHK)『厨房のありす』(日本テレビ系)が放送中。公開中の映画『罪と悪』では陰惨な過去と向き合う3人(高良健吾、大東、石田卓也)の幼なじみのうち、刑事となった晃を演じている。公開待機作に『映画 マイホームヒーロー』がある。

■作品情報
映画『罪と悪』
監督・脚本:齊藤勇起
エグゼクティブプロデューサー:古賀俊輔
プロデューサー:湊谷恭史
出演:高良健吾、大東駿介、石田卓也、村上淳佐藤浩市(特別出演)、椎名桔平
(C)2023「罪と悪」製作委員会
配給:ナカチカピクチャーズ 
公開:2月2日(金)