よしながふみの原作コミックを実写化して非常に高い人気と評価を集めた、昨年放送のNHKドラマ10『大奥』。中でも最後の将軍、15代徳川慶喜(一橋慶喜)を見事に演じ切り、強烈な印象を残した大東駿介。登場した際、大東さんとは気づかない視聴者も多かったほど完璧に慶喜像を作り上げた。2005年から活動し、現在、ドラマ、映画、舞台と活躍。最近、新たにベーシストとしての顔も加えた大東さん。そんな彼の「THE CHANGE」とはーー。【第4回/全5回】

大東駿介 撮影/三浦龍司

 大東駿介さんが出演している公開中の映画『罪と悪』は、クリント・イーストウッド監督の名作『ミスティック・リバー』を思わせる重厚なサスペンス。20年ぶりに再会した幼なじみの3人が、かつての殺人事件をきっかけに過去と向き合っていく様を見つめる。オリジナル脚本を手掛けた齊藤勇起監督と大東さんは、齊藤監督が助監督を務めた2021年の『草の響き』で出会った。

「当時、現場でとても助けていただきました。『草の響き』の斎藤久志監督もそうですけど、齊藤勇起監督は、ありとあらゆる名監督(井筒和幸岩井俊二、武正晴、廣木隆一など)のもとでお仕事されてきた方です。可愛がられる人やし、能力も高いし、何より熱意がすごい人です。

『草の響き』のときに一緒にお食事をしたんですが、“そろそろ独り立ちしようと思っている”とお話しされてたんです。そのときに“齊藤さんが撮るのなら、どんな役でもいいから絶対に1本目に呼んでください!”と、お伝えしていました」