自分のことを「ごまかさない」でいる
ーーそんな閉塞感のある世の中で、高良さんはどうやってバランスを保っていますか?
「自分が思うことに対して、“ごまかさない”ということしかできないですよね。生きていたら、自分のことをごまかさなければならない瞬間や、自分に対してウソをついてしまう瞬間は絶対にあります。でも、それに対して意識的にいるだけで、違う気がする。
いろんな問題がありすぎて、それを自分の問題にしすぎて、自分が壊れるのもちょっと違うと思います。そんな問題に対する、自分なりの解決方法や向き合い方を見つけていかないといけないな、と思っています」
高良さんが「自分をごまかすこと」についてじっくり考えた背景には、自身のこんな経歴が影響しているのかもしれない。
「僕の父は転勤族で、何度も転校を経験しました。転校のたびに、いままで築き上げてきたものをゼロにして。そしてまた転校生として接してもらって。そうして感じてきたことが、自分のなかでいまだに残っている気がしますね。