事務所の社長との運命的な出会い

 お芝居の神様は桐谷健太という逸材を決して見放さない。ここからまた運命が動き出すことになるとは、本人は夢にも思ってなかったようだ。

「先生から電話をもらった時は親友と呑んでいたのですが、“お前に会いたいと言っている事務所の社長がいるから今すぐに○○へ行ってくれ”と言われ、当分この業界から距離を置こうとと思っていた俺は、親友に“断ってくるわ!”と言い、その場所へ向かいました。そこでその社長さんに事務所に入ることを誘っていただいたのですが、断ってしまいました」

 せっかくの話を断ってしまった理由はなんだったのだろうか?

「今の自分は誰がやっても売れません!って(笑)完全に自信を失ってたんでしょうね。翌日、養成所の先生から昨日のことを聞かれたので、“丁重にお断りしました”と伝えたら、“おい! お前5年や10年に一回あるかないかのチャンスなんだぞ!”と叫ばれまして(笑)。というのも、その社長さんは俺ぐらいの年齢の役者を探していて、養成所にまで来て、あいうえお順でファイルにまとめた役者のプロフィールを上から捲っていき、『き』の段の俺のページでビビビっときたみたいで。そしてそこから先のプロフィールは一切見ずに、“この子に会わせて”と先生に言ったそうです。よっぽどだと感じた先生は、後日また社長に時間を作ってもらって俺の芝居を見てもらって。それが今の事務所なのですが、所属してから早いもので20年以上が経ちました。今の事務所の社長やマネージャーと出会ったことで、俳優への道が少しずつ広がっていったので、本当に感謝しかないですね」

 信頼できる人との出会いが桐谷さんの俳優人生を大きく変えた。心強い味方の存在は自信につながり、ここから桐谷さんの快進撃が始まるのだった。

桐谷健太(きりたに・けんた)
1980年生まれ、大阪府出身。02年俳優デビュー。07年、『GROW愚郎』で映画初主演。20年、ドラマ「ケイジとケンジ~所轄と地検の24時~」で民放ドラマ初主演。近年の出演作に、映画『ラーゲリより愛を込めて』(22年)、『アナログ』(23年)、ドラマ「インフォーマ」(23年)、「院内警察」(24年)などがある。

■作品情報
桐谷健太最新主演作
「連続ドラマW 坂の上の赤い屋根」
3月3日(日)午後10時より放送・配信スタート(全5話)
【WOWOWプライム】【WOWOW 4K】にて放送(第1話無料放送)、【WOWOWオンデマンド】にて配信

原作:真梨幸子「坂の上の赤い屋根」(徳間文庫)
監督:村上正典
出演:桐谷健太 倉科カナ 橋本良亮 蓮佛美沙子 斉藤由貴 他
製作著作:WOWOW
https://www.wowow.co.jp/drama/original/akaiyane/