30周年のライブでは感動の再会も!
―― ライブはいかがでしたか?
「面白かったですよ。こんなに何十年もブランクがあるのに来てくれたファンの方々にはとてもありがたいと思いました。なので感謝の気持ちを込めてライブ終わりに握手でお見送りっていうのをやってみたんです。その会場は客席から外への導線がひとつしかないので絶対に握手しないと帰れないっていう(笑)。
そしたらかつてお世話になったレコード会社のディレクターさんと20代の頃にマネージャーだった人が内緒で来てたんですね! “30周年おめでとう!”って、十数年ぶりの再会だったので私もびっくりしましたが、それが縁で“鈴木くんまた一緒に何かやろうよ”という話になりまして。当時マネージャーだった彼はその後に動画制作会社の社長となっていて、そのチームでその後3曲ほど新曲を作りました」
―― そして今年はデビュー35周年を迎えました。
「そんな風にして縁が縁を呼ぶ感じでいまにいたります。自分でもなんか不思議……。ちなみに今年は35周年を記念したコンピレーションアルバムが出せるように動いています。YouTubeの再生数がものすごくあるわけでもないし、新しく作った新曲が世間でものすごく話題になっているわけでもないのに、みんなが協力して私が歌うことをサポートしたり動いたりしてくれています。“当時の世相や環境でやり切れなかったことをいまもう一度やろう!”という感じでしょうか……。内容はかつての曲や、デビュー前のデモ曲、業界のレジェンド・筒美京平さんの未発表曲も入れられたら……と考えています」
出来ることの幅が増えたのは良かった
―― 最近では90年代にアイドルをやっていた方もSNSを始めて、ファンと交流していますね。
「私がデビューした頃といまとでは世の中はまったく変わりました。というか、私なんかが会社をやってることがもう自分でも笑っちゃいますけど、それもすべてスマホで物が簡単に買えたり、SNSの発達だったりのおかげです。しかも新型コロナウィルスの影響でさらに変化が加速した感じ。変化と進化が進んでできることの幅が増えたというのは自分にとってもよかったことですね」
―― とても毎日が充実しているように感じます。40代、50代の方々が生き生きとするための秘訣は何だと思いますか?
「それぞれが与えられた一瞬一瞬をただ一生懸命生きてればいいと思うんです。本当にただそれだけ。
秘訣を聞かれているのに申し訳ない返答なんですけど、そもそも世に流布されてる定型っぽいきれいでいきいき輝く感、みたいなものに憧れたり目指したり追い求めたりする必要はないんじゃないかと思っていて。
誰かが作った変な価値観みたいなものと比べて自分がそこに当てはまってないからダメだ、みたいなところから不幸って始まってくると思うので、いかにそこから離れるかっていうのがけっこう大事な気がします。
ちなみに私自身周りからけっこう輝いてるっぽく見えることがあるかもしれませんけど、それなりに苦労も大変なこともふつうにあります(笑)」
デビュー35周年を迎えた鈴木蘭々。初となるベストアルバム『鈴木蘭々 All Time Best~Yesterday&Today~』が7月26日発売予定の彼女の、更なる「THE CHANGE」から目が離せない。
鈴木 蘭々(すずき らんらん) 1975年8月4日生まれ、東京都出身。『泣かないぞェ』『キミとボク』など歌手としてもヒット曲多数。2018年から歌手活動を再開し、22年7月には『COTTON CLUB』での公演も実施。現在は化粧品の開発や販売もする会社の社長という一面も。