還暦を迎えるエンリケさんが「一番好きなアーティスト」

 還暦を迎えるにあたって、エンリケさんの中で思い出すアーティストがいた。忌野清志郎さんだ。

「清志郎さんは、一番好きなアーティストだった。RCサクセションと同じイベントに出演させてもらったのがきっかけで、仲良くしてもらっていた。旅先ではホテルも一緒だったから、“清志郎さん、何を吸っているんですか”って、ロビーで煙草を吸っている清志郎さんに話しかけたりした。

 清志郎さんも“これは秘密。ヤバいキャメルです”って、冗談を言ってきたりね(笑)。かわいがってもらったし、こっちも親しくなりたくて懐いていました。清志郎さんが生きていたら、俺のイベントにも出て欲しかった」

ENRIQUE 撮影/冨田望

 エンリケさんはバービーはもちろん、浜崎あゆみさんのバックバンドや、ストリートビーツへの参加など、精力的に活動をしているが、彼自身のやりたい音楽は、どういったものなのだろうか。

「『RiQUEEN』というバンドをやっているのですが、そのバンドが一番やりたいことの中心かな。ちょっとプログレふうのイギリスっぽい音楽で、メンバー全員がそれぞれボーカルをやる。実はコロナの最中は、ライブもできなかったから、ずっとレコーディングをしていた。

“もう少しで完成するぞ! ”ってところまでできているのだけれど、資金が足りなくて止まってしまっている。今度の還暦ライブの次の目標は、RiQUEENの音源を完成させるのことですね」

 最初にベースを持ったときの”純粋な喜びのようなもの”を、エンリケさんはずっと、抱いているのではないか。ポートレートの撮影中にベースをかかえている姿を見て、THE CHANGE編集部はそう思った。

ENRIQUE(エンリケ)
1964年生まれ・コロンビア出身。1984年バービーボーイズのベーシストとしてデビュー。1992年にバービーボーイズ解散後は、江口洋介や永井真理子のバックバンドに参加。現在は再結成したバービーボーイズとして活動をしながら、自身のバンドであるBICYCLEや、2023年に再加入したTHE STREET BEATSの活動も続けている。

撮影協力:アーティファクト・ミュージックスクール御茶ノ水本校