今年デビュー40周年のバービーボーイズ
イベントやテレビ番組に出演するための一時的な再結成から、本格的な再始動へ……。その後、バービーは2009年に、デビュー25周年を記念したZeppツアーを行い、翌年は、21年ぶりの日本武道館でのライブも成功させている。
「実は今年、デビュー40周年。でも“またバービーをやろう”って誰も言ってこないのだよね(笑)。ここにもメンバーのクールな性格が関係していると思う。でも、もうみんないい年齢だし、それぞれ事情があると思うけれど、またやろうっていうのなら40周年のタイミングかなって思っている。その狼煙を上げられるのは俺かなって思って。ちょうど還暦になるし(エンリケさんは今年2月で60歳を迎えた)それを記念にしたライブだったら、みんな出てくれるだろうなって思って声をかけた」
今でも、バンドの中心メンバーであるいまみちともたか(イマサ/バービーボーイズのギター)には感謝しているという。
「イマサはライツ(権利)にもこだわる人だった。それはお金のためではなくて、自分たちの作品をスペシャルに保つためだったと思う。たとえば、ライブ中の写真をネットにあげることに関しても、もしもネットにあげるのならば、絶対にチェックがしたいっていうのに近い。日本ってライツにうといけれど、ライツにこだわるのは自分や作品を守るためでもある。
それをわかっていない人が多いんだよね。作品の著作権や肖像権って、事務所がコントロールしてくれると考えている人も多いけれど、他人任せにしていてたら、とんでもないことに使われてしまうこともある。イマサがそういうのはしっかりしていたので、リーダーで良かったって思う」
エンリケさんは、バービー以外にもTHE STREET BEATS(1984年結成のロックバンド、以下、ストリートビーツ)のベーシストとしての顔も持つ。ストリートビーツには1995年に加入後、2000年に脱退。そしてまた2023年に電撃復帰した。
「ストリートビーツからは20年以上離れていた。再加入したのは、また長いオーディションに受かっちゃったって感じかな。彼らはパンクロックを好きな層から熱い支持をされている。ザ・クラッシュ(70年代に登場したイギリス出身のロックバンド)も、最初はニューウェーブなのか、パンクって呼ぶのかって言われていたじゃない。
そうやって、いろいろな要素が入っているのがイギリスのバンド。だからストリートビーツに関しても、ゴリゴリのセックス・ピストルズみたいなバンドだったら入っていなかった(笑)。バンドのビートが効いているっていう意味では、バービーもそうだと思う」
還暦を祝うライブを、東京と大阪の2か所で行ったエンリケさん。大阪公演の開催にあたっては、クラウドファンディングを利用した。
「出演アーティストを東京から連れていくための費用を計算したら、とんでもない金額になって。レコード会社やイベンターと関係なく自力でイベントをやろうとすると、かなり大変。そうしたら周りから“クラファンをやりましょう”って勧められた。
ありがたいことに費用も集まった。でも、まだソールドアウトにはなっていないから、もっと宣伝活動をしていかないと、そこで終わっちゃうっていう危機感はあります」