15歳のデビュー以来、映画やテレビ、そして歌に踊りにと、エンターテイメントの第一線を走り続けてきた由美かおる。彼女が共演したスターたちの秘話や出演した名作の舞台裏とともに、半世紀を超える芸能生活の「CHANGE」について、語ってもらった。第2回は、日本を代表するスターたちとのエピソードを一挙出し。名優・菅原文太から勝新太郎、天地茂、そして、大谷翔平以前の野球界最大のスター、長嶋茂雄、王貞治まで、永遠の妖精の華麗なる「出会い」の軌跡をたどった――。(全3回/第2回)

由美かおる 撮影/小島愛子

長嶋茂雄は「優しい方」王貞治は「気さくな方」

 由美のファンは芸能界にとどまらなかった。当時、隆盛を極めたプロ野球の読売ジャイアンツにも多くのファンがいた。

 京都で生まれ育ったのですが、父が巨人ファンだったので、私も、その影響で巨人ファン。しかも、デビュー後まもなく巨人軍に取材に行く機会がありました。
 長嶋茂雄さんはすごく優しい方。王貞治さんは一見、真面目そうだけど、とても気さくな方でしたね。そんなご縁もあって、王さん、長嶋さんが中心になって、巨人軍の中に由美かおるファンクラブを作ろうかなんて話もあったくらい。結成には至りませんでしたが、長嶋さんや王さんと並んで撮った写真は私の宝物です。
 

『日本沈没』『復活の日』などを執筆したSF作家の小松左京も由美の熱烈なファンだった。由美はテレビ版『日本沈没』(TBS系)に出演し、同時にパニック映画『ノストラダムスの大予言』(五島勉原作)にも出演した。

『日本沈没』は映画のほうも、小松先生からヒロイン役で出てほしいとラブコールをいただいていたんですが、スケジュールの都合で実現しなかったんです。
 テレビ版の『日本沈没』では危険な撮影もあって、割れた鏡の小さな破片が目に入ったこともありました。
 まばたきはダメだと言われ、目を開けたまま眼科へ。無事、破片は取れました。