「あいつ、いなくなればいいのに」と感じたことも

 パーソナリティ時代で一番記憶に残っていることを聞いたら、意外な答えが返ってきた。

「深夜だったので、むちゃくちゃでしたね。ディレクターには無理なことをしょっちゅう言われていたので、“あいつ、いなくなればいいのに”って思っていました(笑)。麻雀漫画を描いている方がゲストだったとき、ヘッドホンごしに“麻雀牌にパンツをかぶせるのなら、何色がいいですかって質問しろ”って言われたり」

 4年間パーソナリティを務めた『オールナイトニッポン』は、その後のファン層拡大にもつながった。

「『101人コンサート』を見に来られたお客さんの中で、“『オールナイトニッポン』を聞いていました”っていう人がすごく多いんですよ。それ以前の一部のファンの方には、“ラジオを始めた時にファンを辞めました”って言われたこともあったんですが。でもラジオの経験が、コンサートのトークにすごく役立ったって思います」

 毎週生放送でトークをするという経験は、谷山さんに変化をもたらした。

「それまでのコンサートでは、事前にトークの内容も全部決めていた。それが、『101人コンサート』から、なにも決めないでとにかく“その場に自分を置く”ことを優先したら、すごく楽しくなってきた。それはオールナイトで経験した、ライブ感が活きていると思います」

谷山浩子 写真/能美潤一郎

谷山浩子(たにやま・ひろこ)
1956年8月29日生。神奈川県出身。シンガーソングライター。中学在学中からオリジナル曲を作り始め、1970年にベイビー・ブラザーズのシングルで作詞作曲家としてデビュー。1972年4月25日、アルバム『静かでいいな 〜谷山浩子15の世界〜』とシングル『銀河系はやっぱりまわってる』で一度目のデビュー。1974年『第7回ポピュラーソングコンテスト』で『お早うございますの帽子屋さん』が入賞。同曲で翌年、再デビュー。1977年シングル『河のほとりに』をリリースし、3度目のデビュー。以後、「オールナイトニッポン」をはじめとするラジオ番組のパーソナリティ、童話、エッセイ、小説の執筆、全国各地でのコンサートなど、精力的に活動中。

「duo 20th Anniversary Live ROLLY & 谷山浩子」
日時:4月25日(木) 18:15開場/19:00開演
会場:Shibuya duo MUSIC EXCHANGE
出演:ROLLY / 谷山浩子
お問合せ:duo MUSIC EXCHANGE 03-5459-8716

「谷山浩子 放課後の音楽室~佐山こうた先生と~」
日時:6月8日(土)17:00開場/17:30開演
会場:東京文化会館小ホール
出演:谷山浩子 / 佐山こうた(pf)
お問合せ:東京音協 https://t-onkyo.co.jp/

「谷山浩子 Billboard Live」
日時:2024年6月27日(木) 
1st ステージ 開場16:30 開演17:30 / 2nd ステージ 開場19:30 開演20:30
会場:Billboard Live YOKOHAMA 
出演:谷山浩子 佐藤研二
お問合せ:ビルボードライブ横浜 0570-05-6565