映画『MOTHER マザー』の長澤まさみ、木野花と再会
――たしかに、まだデビューから5年目ですね。それでも変化を感じることはありますか?
「あまり変わっていない気がします。別に意識的に変えていないわけではないですけど。変わったといえば、知識が増えたことですかね。それこそ『MOTHER マザー』のときは、バミリ(役者の立ち位置などに付ける目印)と言われても、なんのことか分からなかったですし。カメラのことも意識したことがなかったですが、今はある程度意識するようになりました。でもそれくらいです。お芝居の仕方も変わっていないし。逆に、ずっと同じ感覚でいられるのは、僕は嬉しいし、忘れたくないと思っているんです」
――『MOTHER マザー』のあと、長澤さんと再会することはありましたか?
「1年か2年ぶりくらいに会いました。“久しぶり~”の様に話しかけていただいて、“お久しぶりです”って。特別なお話はしてないんですけど。阿部サダヲさん(母親と一緒に暮らし始めるホスト)は、あれからまだお会いしていませんが、木野花さんとは違う作品(『ヴィレッジ』)のときにお会いしました」
――『MOTHER マザー』のときは、祖母と孫の関係でしたね。再会したときの感覚は?
「言葉には表現しづらいんですけど、自分の一番最初を知っている人だと思うと、やっぱり何かちょっと違う感覚はあります。木野さんに“大きくなったね”と言って頂いて、すごく嬉しかったですし、3年ぶりくらいだったので“大きくなった”の意味にもいろんな意味があるんだろうし、僕の最初を知っている人だからこその言葉だなと思いました」
――長澤さんと再共演するなら、どういった役で対峙したいですか?
「なんだろう。先生と生徒とかがいいですかね。今度は血がつながっていない役を演じてみたいです」
まだ5年目。長澤まさみだけでなく、多くの先輩や、鈴鹿央士といったキャリアを同じくする俳優たちとも、再共演する機会が出てくるだろう。どんなジャンル、関係性だろうと、こちらとしては楽しみだ。
奥平大兼(おくだいら・だいけん)
2003年9月20日生まれ、東京都出身。2020年、『MOTHER マザー』で長澤まさみ演じる秋子の息子・周平を演じてデビュー。同作にて第44回日本アカデミー賞新人俳優賞、第94回キネマ旬報ベスト・テン 新人男優賞、第63回ブルーリボン賞新人賞、第30回日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞した。2023年度は、『あつい胸さわぎ』『映画ネメシス 黄金螺旋の謎』『ヴィレッジ』『君は放課後インソムニア』にて第15回TAMA映画賞最優秀新進男優賞に輝いた。ほか主な出演作に映画『マイスモールランド』『パレード』(Netflix)、ドラマ『恋する母たち』『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』など。鈴鹿央士とW主演を務める映画『PLAY!〜勝つとか負けるとかは、どーでもよくて〜』が公開中。3月26日にドラマ『ケの日のケケケ』(NHK総合)が放送予定。
映画『PLAY!〜勝つとか負けるとかは、どーでもよくて〜』
監督:古厩智之
脚本:櫻井剛
出演:奥平大兼、鈴鹿央士、山下リオ、小倉史也
(C) 2023映画『PLAY!〜勝つとか負けるとかは、どーでもよくて〜』製作委員会
配給・製作:ハピネットファントム・スタジオ
公開中