SHOW-YA主催の『NAONのYAON』に出演
八神さんのアーティスト人生にとって、変化ともいえる出来事が起きた。
「『世界歌謡祭』で歌った時に感じたのは、プロの歌手はマイクなしでも部屋中に声が響き渡る。“これがプロなのだ”って圧倒された。でもプロデビューした時に、その時の歌い方は徹底的に直された。ささやくように歌う歌唱法に変えられたんです。でもそれは私が歌いたい曲ではなかった。『I'm A Woman』というロック調の曲を書いた時に、SHOW-YA主催の『NAONのYAON』に出たんです。それまで、ささやくように歌っていて、欲求不満が溜っていた(笑)。そこで、『I'm A Woman』を歌ってスカっとした。こういう曲をやっていきたいなって覚悟ができました」
今のようなパワフルなボーカルスタイルに辿り着くには紆余曲折があった。
「でも海外で暮らしたことによって、自分の表現力が足りないって気がついたんです。日本のポップスの歌い方は、一本調子で変わらない。だけど、アメリカのアーティストはスティーヴィー・ワンダーのように、一人のボーカルが起承転結をすべて表現してしまう。同じサビでも、ボーカルで盛り上げることができる。そういうシンガーとしての実力を身に着けたいって感じました。
以前はアレンジの部分は編曲家に任せていたんですけど、アメリカに移住してからはアレンジも自分でやるようになったんです。バッキングコーラスも多重録音で入れて声に厚みをつけるようになりました。
東日本大震災後の被災地に歌を届ける活動の中で、歌唱力を誇ったり、大きな声で歌えば良い訳ではないって思いましたね。歌唱力ではない、人に伝わる歌や心に届く歌があるって勉強させられました」
デビュー45年目を迎えている八神さん。いつまでも挑戦し続ける姿勢こそが、彼女の活力なのかもしれない。
八神純子(やがみ・じゅんこ)
1958年1月5日生。愛知県出身。シンガーソングライター。高校在学中からコンテストに出演し、1974年『第8回ヤマハポピュラーソングコンテスト』に出場し優秀曲賞に入賞。1978年『思い出は美しすぎて』でプロデビュー。以来、『みずいろの雨』『パープルタウン ~You Oughta Know By Now~』などヒット曲を生みだす。1986年にアメリカに移住。現在も海外と日本を行き来しながら音楽活動を続けている。
『八神純子 キミの街へ 2024 ~Share the moment with you~』
【日時】2024年7月5日(金)16:45開場/17:30開演
【会場】高崎芸術劇場 大劇場
https://www.wowowplus.jp/entertainment/event/junkoyagami2024takasaki/