役とともに歳を重ね、成長できた感覚がある

 吉田さんと共演を経験した『刑事7人』の野々村拓海役として白洲さんを見ていた方も多いだろう。同作はテレビ朝日系「水曜21時」枠にて’15年から放送されてきた、東山紀之さん主演の刑事ドラマシリーズ。白洲さんはシーズン4から登場、吉田鋼太郎さんはシーズン1から出演している。同じキャラクターを何年も積み重ねていく作業は、役者としてどうプラスになったのだろうか。

「まずは純粋に役を深めることができました。そしてシリーズものとして長い期間をかけてやれることの良さとして、役を超えて、自分自身も拓海も毎年一年ずつ歳を重ねていく感覚がありました。毎年夏クールに放送していたので、その年の夏の出来事が描かれていましたが、拓海という人物は、秋冬春と生きています」

――そうですね。

「部署が変わったり役職が変わっていたりといった変化を含め、拓海も成長しているでしょうし、自分も役と一緒に成長していけた感覚があります。しかもそれを作品として残すことができた。俳優人生において、とてもありがたい経験だったなと思います」

白洲迅 撮影/冨田望

ーー年を重ねていく変化を、拓海だけでなく白洲さん自身も感じていたということでしょうか。

「自分が成長したからこそ、拓海も成長した描写を書いてもらえているのかなと感じる部分もありました。年齢もあるでしょうし、長くやっているからこそ、周りのみなさんとの関係も深まっている。そういった僕らのリアルな関係性まで、物語に反映していただける場だったのかなと感じています」

 シリーズものにはシリーズものならではの醍醐味(だいごみ)がある、と教えてくれた白洲さん。自分の役だけでなく、作品や、周囲との関係を大切にしていることが伝わってくる。

白洲迅(しらす・じん)
1992年11月1日生まれ、東京都出身。’11年、舞台『ミュージカル テニスの王子様』の鳳長太郎役でデビュー。’13年には『押忍!!ふんどし部!』(テレビ神奈川ほか)にてドラマ初主演。ドラマ、映画、舞台と活躍している。主な出演作にドラマ『ごめんね青春!』(TBS系)、『刑事7人』(テレビ朝日系)シリーズ、『僕はまだ君を愛さないことができる』(フジテレビ)、『リコカツ』(TBS系)、大河ドラマどうする家康』(NHK)、『君が心をくれたから』(フジテレビ系)、映画『HiGH&LOW THE WORST』(2019年)『向田理髪店』(2022)など。’24年5月公演の吉田鋼太郎演出、彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1『ハムレット』でホレーシオを演じる。

ヘアメイク :松田陵(Y’s C) 
スタイリスト:持田洋輔
ジャケット¥187,000・Tシャツ¥17,600・パンツ¥52,800/コーチ/コーチ・カスタマーサービス・ジャパン(0121-556-936)靴¥35,200/アルフレッド・バニスター/アルフレッド・バニスター ルミネエスト新宿店(03-6380-0310)

●作品情報
彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1『ハムレット』
【原作】:W.シェイクスピア
【演出】:吉田鋼太郎
【出演】:柿澤勇人北香那、白洲迅、渡部豪太、豊田裕大、正名僕蔵、高橋ひとみ、吉田鋼太郎 ほか
【HP】https://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/98587/