大学在籍中にテレビの素人出演バラエティ番組でチャンピオンとなり、芸能界入り。そして、今ではテレビで見ない日がないほどの人気者となったタレント・関根勤。今年、芸能生活50周年を迎える彼の「THE CHANGE」とは――。【第1回/全2回】

関根勤 撮影/松田忠雄

「人間力」って、生まれつき持ってる人はいないんじゃないかな。生まれてから皆さんに育ててもらうものが人間力だと思うんです。

 だって、言葉もしゃべれない赤ん坊が無人島でずっと一人で暮らして、誰の影響も受けなかったら、人間力なんてつきませんよね。人生において大事だなと思うものって、いろんな人と出会って、その過程で得ていくじゃないですか。

 僕はこれまでの経験で、人生で大事なのは「共感力」と「想像力」だなと思うようになりました。

 僕ね、子どもの頃に好き嫌いがいっぱいあって。特にキュウリが嫌いだったんです。それを聞くと大抵の人は、「えっ、キュウリなんて味しないじゃん」ってなるじゃないですか。でもそれって、好き嫌いがある人の気持ちを分かろうとしていないってことなんですよね。

 でもそうじゃなくて、たとえば牛肉が嫌いって人がいたら、自分は牛肉が好きでも、「ああ、自分がキュウリを嫌いなのと同じなんだな」って共感して相手の気持ちを想像することって、すごく必要だと思うんです。

 もっと分かりやすい例でいうと、『ずん』の飯尾(和樹)君がね、小学生のときに歌がうまく歌えなくて、それを音楽の先生に失笑されたことがあるらしいんです。そのことで傷ついて心を閉ざしてしまったと。