一通のメール「世に問う価値がある本だから…」

――再来年ぐらいまで、ご本の予定があるとお聞きしました。

『ザイム~』『書いては~』に続く3冊目は、ほぼ書き終わりです。

――体調が最悪だったときに『書いて~』の最後の部分を書かれていて、3冊目もまた、すぐに取りかかったってことですか?

 この3週間ぐらいで。なんか、いくらでも書ける気がするんですよね。これまで百何十冊、書いてますから。

――ちなみに、その本は、どんなジャンルの本ですか。

 それは政権批判とかそういうんじゃなくて。人生を語るっていうのかな? たぶん、このチェンジの記事に近い内容を 1 冊の本にするっていう感じですね。その本の中でも、まあやりたい放題だけど。今までも出版社に拒否されてきたものを、もう全部その中にどんどんぶっこんでいくって感じです。

――なるほど。

 でも本当にこの本と、その前の本は、三五館シンシャの中野長武さんっていう社長に救ってもらったんですね。だって全社拒否です。もうビックリですよ。

 この7~8年に出した本、全部、増刷まで行ってたんで、それなりの信頼は出版社から得てた、まあ、仲良しだったわけですよ、編集者と。でも全部、門前払い。出したいのは山々だけど、会社のことを考えたら、この内容の本は出せないと。
 だから中野さんから「世に問う価値がある本だから出しましょう」とメールをもらって、すぐ返事したんです。「でも、これ出したら中野社長も逮捕されるかもしれないですよ。いいんですか?」って聞いたら中野さんが「いや、僕一人でやっている出版社なんで、仮に逮捕されても僕と森永さん逮捕者2人です(笑)」。

――お2人は強い信念で結ばれているんですね。うらやましい関係です。

もりなが・たくろうプロフィール
1957年、東京都生まれ。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。1980年に東京大学経済学部を卒業後、日本専売公社(現在のJT)に入社。その後、日本経済センター、経済企画庁、三和総合研究所などを経て、2006年から獨協大学経済学部教授に。昨年、財務省の暗部に斬り込んだ『ザイム真理教』(三五館シンシャ)がベストセラーに。今年3月には日本の3大タブーとされるジャニーズ事務所の性加害、財務省の財政緊縮主義、日本航空123便の墜落事故について迫った書籍『書いてはいけない』(三五館シンシャ)が14万部を超えるベストセラーとなっている。2023年12月、ステージ4のがん告知を受ける。