テレビの世界で刺激を受けた人物とは?

 しかし、世間の反応は紫吹さんの想像とは真逆そのもの。ベール越しに包まれた、そのミステリアスな姿とは一転、素顔が白日の下にさらされるや、世間はそのギャップに大ウケした。その時の経験を紫吹さんに尋ねると、

「やはり、宝塚時代は私のことを知らなかった人にも知っていただくきっかけになったとは思います。それと、芸人さんのように普段は会うことがない人たちと仕事をするのは刺激や学びになりました」

紫吹淳 撮影/冨田望

 そんな世界で出会って刺激を受けたのが、デヴィ夫人だ。

「バイタリティーがすごいんです。見ていても、タンゴを踊ってみたり、なんでも挑戦するといいますか。その秘訣を聞いたら“私、全部自歯なの”って。“だから、元気なの”って仰ってました。隣で見ていても、本当にいつも若々しい」

 いつまでも若さを保つデヴィ夫人を見るうちに、紫吹さんも年齢にとらわれないようになっていく。

「昔は、“可愛いおばあちゃんになりたい”なんて考えていましたけど、今は体の動かせる状態でとにかく踊っていたいと思っています」

 10年後も20年後も求められれば舞台に立ち力の限り踊りを披露したいと語る紫吹さん。宝塚時代とは異なるバラエティー番組の世界に飛び込んだ経験が「THE CHANGE」となり、彼女の中に新たな挑戦心を芽生えさせている。

■紫吹淳(しぶき・じゅん)
 1968年、11月19日生。群馬県出身。86年に72期生として宝塚歌劇団に入団、01年に月組トップスターに就任。04年3月に退団後は女優として活動を開始。主な出演作に『王様と私』『グッバイガール』『THEBOY FROM OZ』『細雪』など。23年にはBSーTBSのドラマ『ママはバーテンダー~今宵も踊ろう~』でドラマ初主演。