ひとつひとつの仕事と向き合うこと

「自分がどういう人間なのか分かっていない」。撮影時に「お姫様みたい」という言葉をかけられて、一瞬とまどったのも、これで腑に落ちる。

生田「お姫様と言われるのもうれしいですし、それこそ明るくておしゃべりって思われることもあれば、本当にカチッとしていて真面目に思われることもありますし。暗いって言われることも。そのへんは、ちょっと自分でもわからないんですよね」

 自分自身がわからない。さまざまな場で自分を表現をしていくうえで、やりにくいことはないのだろうか。

生田絵梨花 撮影/三浦龍司

生田「そうですね。でも、わからないからこそ表現することと通じて、逆に人の気持ちを少しでも知りたいとか、相手に関わることで自分も変わっていきたいと思っているので、色々な場所を経験させてもらっている今がとても楽しいです。

 ひとつひとつにどう向き合っていくかが、自分自身に繋がっていくんじゃないかって思うんですよね」

 多岐にわたるさまざまな生田さんの仕事。それらひとつひとつ真剣に向き合ってきたからこそ、人は生田さんにさまざまなイメージを持つのだろう。変幻自在の表情を見せるその陰には、真剣に表現と向き合う、「生田絵梨花」という変わらぬ芯があるのだ。

(ヘアメイク:近藤あかね、スタイリスト:椎名倉平)

生田絵梨花(いくたえりか)
1997年ドイツ・デュッセルドルフ生まれ。乃木坂46の中心メンバーとして活動して21年末に卒業。グループ在籍時から『レ・ミゼラブル』などのミュージカルで活躍し、23年公開のディズニー100周年記念作品『ウィッシュ』で主人公アーシャの日本版声優を務めた。24年4月には作詞作曲を務めた楽曲『Laundry』などを収録した1stEP『capriccioso』を発売。近年はテレビドラマへの出演も増え、4月スタートのドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ・フジテレビ系)では脳外科秘書の西島麻衣を演じる。

■作品情報
『アンメット ある脳外科医の日記』
毎週月曜日 よる10時~放送中
最新話配信中:https://tver.jp/series/srwy1lb14d