札幌よしもとの一期生としてデビュー後、「欧米か!」でブレイクすると国民的人気芸人になったタカアンドトシ。2人は後輩芸人のインフルエンサーになり、いまもネタを作り続けている。結成から30年、タカアンドトシが目指すのは“看板”だ。彼らの「THE CHANGE」に迫る――。【第1回/全3回】

タカアンドトシ 撮影:武田敏将

 

デビュー2か月で立ったNGKがトラウマに

―― タカアンドトシのおふたりは、北海道出身芸人を集めた「道産子お笑いフェス」を全国各地で開催中です。

タカ 「最近、北海道出身の芸人が活躍しているじゃないですか。錦鯉の長谷川(まさのり)、EXITの兼近(大樹)、平成ノブシコブシ、とにかく明るい安村、オズワルドの畠中(悠)とか」

トシ 「トム・ブラウンもそう。30年前は先輩の加藤浩次さんとタカアンドトシくらいだったけど、気づけば道内だけでいいメンバーが揃いそうなので、ライブをやろうと決めて」

タカ 「去年の8月に札幌で『道産子お笑いフェス』を開催したんです。お客さんに喜んでいただいたので、どうせなら全国各地でやろうと。かわいがっている後輩の初恋タローが福岡出身で、僕らを地元の大きなホールによく呼んでくれるんですけど、そこで2回目の『道産子お笑いフェス』を開催して。3回目は、初代札幌支社長の木山さんに声をかけてもらって、3月24日に奈良で開催しました」

―― お笑いをやる環境として、北海道はどうでしたか?

タカ 「決していい環境ではなかったです。30年前は、生でお笑いを観る文化がありませんでしたから。いまもその傾向があるけど、家から出てイベントに行こうとする人が少ないんです。僕だって、地元でサッカーの試合があっても“テレビで観ればいいや”と思ってしまう」

トシ 「野球にしたって、日本ハムファイターズが来るまでは、“生で観る”という習慣がなかったんです。さすがに巨人が来るときはお祭り騒ぎになりましたけど」