影響を受けた作品は『ドラゴンボール』

 そんな福士さんの考えに影響を与えているかもしれない作品が『ドラゴンボール』だ。先日急逝した漫画家・鳥山明氏による大ヒットコミックで、ご存じのように世界中で愛されている。

「従兄弟がカラーページが載っている“完全版コミック”を持っていて、それを全巻集めた後に、僕にくれたんです。それまで漫画はあんまり読んでこなかったのですが、それからはこの『ドラゴンボール』だけをひたすら繰り返して読み続けていました。

 その影響で“ノーペイン、ノーゲイン(痛みなくして、前進なし)”といった、サイヤ人がやられるたびに超回復して強くなる、ような感覚は自分の中で重要なものになっていきました。何か苦しいことがあっても、これを乗り越えた先に自分の強さが出てくると思うようになったのは、確実にサイヤ人から学んでいる部分があるんだと思います」

『ドラゴンボール』の主人公・孫悟空はサイヤ人という宇宙人で、宇宙最強の戦闘民族であり、どんなに傷ついても必ず復活してくる力強さを持っている。爽やかで優しいイメージのある福士さんだが、そのなかにはサイヤ人の熱い魂が秘められているのかもしれない。