「タカラヅカの革命児」と呼ばれるほど様々な新風を吹き込んだ、宝塚の元トップスター・真矢ミキ。退団後は舞台から映像の世界へと活動の場を移し、映画『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』の警視監役で大ヒット。映像界でも人気俳優となった。俳優だけでなく朝の情報番組の司会や東京五輪開会式の舞台など、新しいことにチャレンジし続けてきた彼女の「THE CHANGE」とは――。【第2回/全4回】

真矢ミキ 撮影/三浦龍司

今年、還暦を迎えた俳優の真矢ミキさん。スーツにピンヒール姿がバッチリ似合う美しいスタイルは、年齢を感じさせない。そんな真矢さんの人生にとっての「THE CHANGE」は「挫折」だという。

「劇団を辞め、映像の世界へ。覚悟はしていましたが、厳しい世界でした。想像を絶する頭打ちに、途方にくれましたよ。同じ芝居の世界なのに、こんなにもうまくいかないことかと……これまでで一番つらかったですね」

 1998年、トップスターとして人気絶頂の中、宝塚を退団した。芸能界のなかでも、映像の世界で活動するため、舞台からはあえて距離を置いた。すると仕事は激減。鳴かず飛ばずの状態が、4年半ほど続いたという。経験豊富な舞台という場所に戻れば、仕事がもらえるかもしれない。だが、あくまでも映像の世界で活躍することを目指し、楽な道を選ばず厳しい道を歩み続けた。