タクヤが「一瞬で気づかれる方法教えてやろうか?」

――ファンが知らないメンバーたちの秘話が満載でした。たとえば、小説に登場するタクヤですが、ロケの合間に、鈴木さんとタクヤと2人で買い物に行こうと渋谷のパルコ前の交差点に立ったときの逸話に衝撃を受けました。
 帽子もマスクもサングラスもしていない彼が立っているのに、誰にも気づかれない。街には、彼の服装を真似た偽タクヤがあふれていたことも原因の一つでした。彼に鈴木さんが「全然気づかないんだね」と言うと、「一瞬で気づかれる方法教えてやろうか?」とヤンチャそうに笑って、交差点の反対側に立つ女性の目を見つめ出す。すると、その女性は「え!?」となり、本物が立っていることに気づいて黄色い声を上げると、その気づきが交差点にいる女性たちに一気に伝わっていって、数秒のうちに全員が鈴木さんの横に立つ、本物を見て「キャ~」となる。その光景を、「モーゼの海割り」的なものと表現されていました。まさに、ザ・スターですね。他にも、彼がサッカーW杯に初めて出場する選手に送った言葉など「胸が熱くなる」エピソードがたくさんありました。まだ、書かれていない秘話はありますか?

『もう明日~』と同時期に発売になった『最後のテレビ論』でも、彼が熱湯風呂に挑戦する話や全力坂50本チャレンジ、年末年始トマト生活など、けっこう書いてます。今回の2冊で、彼のすごいと思ったことは全部、書きました。

――では、スマスマのゲストで訪れた国内外の大スターたちの知られざるエピソードは、他にありますか? 『最後の~』の中で、映画『メン・イン・ブラック』『ALI アリ』などで知られるハリウッド俳優のウィル・スミスは、何度目かの出演の際に、コントでセリフがあることを知って「今日は帰って、明日来る」と言って、その夜に2時間半の猛特訓。苦戦していた「オレが中居だ!」のセリフを完璧にやり切ったとか。それを鈴木さんは、「どんなバラエティ企画であろうとも“演じる”となったら、魂を削って完璧にやり切らないといけない。それが俳優だ」と、表現されています。

 今回、僕も知らないことも含めて相当、取材して書いたんで、面白いと思うことは、全部書きました。実は、僕も知らない話だったんですね、ウィル・スミスの話は。