各世代で雑誌のトップモデルとして活躍してきた田中美保さん。小学4年生の時にスカウトされてデビューし、2000年代には、鈴木えみ、榮倉奈々、木村カエラなどともに雑誌『Seventeen』(集英社)の黄金期を支える神メンバーとして活躍。『Seventeen』卒業後は『non-no』(集英社)に移り、「美保カジ」とも呼ばれたそのファッションを真似する女の子が続出した。
 2012年にサッカー元日本代表の稲本潤一選手と結婚し、2人のお子さんを出産。モデル業をこなしながら、2児の母として多忙な日々を送っている。

田中美保 撮影/有坂政晴

子どもの興味はサッカーより『鬼滅の刃』!?

 人生最大のチェンジは「子どもが生まれたこと」という田中は、2歳と4歳になる二人のお子さんを育てている。 

 小学校4年生でスカウトされて、ずっとモデルとして仕事をしているので、キャリアはもう30年になる。各世代で常に人気雑誌のトップモデルとして活躍してきたが、意外にも専属契約をしたことはなかったという。

「じつは『Seventeen』も『non-no』も専属ではなかったんですよ。ただ、忙しくて他の仕事をする余裕がなかったという感じですね。『mina』(夕星社・当時は主婦の友社)にも18歳くらいからずっとお世話になってますし、他にもいろいろ出させてもらってました。いまは雑誌の数も減ったし、大人になったし、子どもを産んで、ライフスタイルがまったく変わったので、昔と比べたら本当に全然働いてないって感じです」

 多忙だった時期には1日にいくつも撮影を掛け持ちすることも珍しくなかったが、2012年にサッカー元日本代表の稲本潤一選手と結婚し、2015年に旦那さんの「コンサドーレ札幌」移籍に伴い北海道へ渡り、4年間を過ごす。

 東京を離れたことで、モデルの仕事が減り、徐々に仕事のペースも減らしていった。そして雑誌の数も少なくなり、モデルの仕事自体も減っているという。東京へ戻ったタイミングで第1子を出産。2年後には第2子が生まれ、育児中心の生活へと変わった。

 4歳になった上の子は幼稚園に通い、サッカークラブに入っているという。

「前に住んでいた家は公園が近くにあったので、よくお父さんとボールを蹴ったりしていたんですけど、今は公園が近くにないっていうのと、サッカーボールを使っていい公園って結構少ないですし、公園にお父さんと行く回数がすごく減っている気がします」

 お父さんのようなサッカー選手になりたいと言っているのだろうか?

「以前は言っていたんですけど、いまは“炭治郎になりたい”って言ってます、『鬼滅の刃』(集英社)の (笑)。だから一応サッカークラブには入っているんですけど、体操クラブにも入っていて、今は体操のほうをめっちゃ頑張ってますね。炭治郎の技をやりたくて、“どうしたら横水車ができるの?”なんて言って一生懸命練習してますよ」

 サッカー選手より炭治郎になりたいとは可愛くて微笑ましい。『鬼滅の刃』は、子どもたちに大人気だが、田中自身が影響を受けた漫画や映画について聞いてみた。

「映画はホラーしか観ないです。ホラーしか観ないから変わんないですよね。ホラー観て人生に影響を受けてたら、やばいです、お化けになってるかも(笑)。漫画だったら、若い時それこそ『天使なんかじゃない』とか『ご近所物語』(集英社)とか、矢沢あい先生には結構響くものをもらった気がしますね」