各世代で雑誌のトップモデルとして活躍してきた田中美保さん。小学4年生の時にスカウトされてデビューし、2000年代には、鈴木えみ、榮倉奈々、木村カエラなどともに雑誌『Seventeen』(集英社)の黄金期を支える神メンバーとして活躍。『Seventeen』卒業後は『non-no』(集英社)に移り、「美保カジ」とも呼ばれたそのファッションを真似する女の子が続出した。
 2012年にサッカー元日本代表の稲本潤一選手と結婚し、2人のお子さんを出産。モデル業をこなしながら、2児の母として多忙な日々を送っている。

撮影/有坂政晴

仕事もプライベートもデジタルに対応しないといけない

 女性ファッション誌が全盛の時代、数多くの雑誌で活躍し、多忙な日々を送っていた田中だが、2012年にサッカー元日本代表の稲本潤一選手と結婚し、旦那さんの「コンサドーレ札幌」移籍に伴い北海道へ移住する。結婚したこと自体よりも北海道に移住したことの方が大きな「THE CHANGE」になったという。

「出版社ってほとんど東京なので、撮影のたびに上京するのは大変ですし、交通費もかかるから、自然に仕事する機会は少なくなっていったんです。そのぐらいから自分でも仕事のペースをかなり抑えていってたんですけど、雑誌自体の数もすごく減っていって……。そういうタイミングでした」

 北海道で暮らしていた4年間は、ファッション業界全体にとっても大きな転換期だった。その意味では「THE CHANGE」でもある。急速にデジタル化が進み、雑誌を取り巻く環境も変化していき、広告も動画やSNS中心へとシフトしていった。

「なんというかまあ、“昔は楽しかったな”とは思います。たくさん雑誌があって、撮影もいっぱいありましたから。いまは洋服を買うのもネット中心ですし、そういうデジタル化っていうものに自分もついていかないといけないんですけどね」

 人生最大のチェンジは「子どもが生まれたこと」という田中は、2歳と4歳になる二人の子を育てている。北海道から東京へ戻ったタイミングで第1子を出産。2年後には第2子が生まれ、育児中心の生活へと変わったが、デジタル化の波は仕事だけでなく、子育ての現場にも及んでいるという。

「なんでもかんでもデジタル、保育園や幼稚園の出欠確認とか、全然わからなくて、“電話じゃダメなの?”みたいな。登録、登録で、もうずーっと登録してて、子供に話しかけられても“お母さんわからなくなっちゃった(汗)”みたいな感じで過ごしてます。確かに便利ではあるんですけど、基本アナログな人なので苦労してます(笑)」