人のせいにしてしまったら成長もしない
ある女性のファンレターには、おばあちゃんの「何ごとも人のせいにしない」という言葉に救われたと書かれていた。
「人のせいにしないというのは私のモットーです。なにかうまくいかないことがあったとしても、それをすべて人のせいにしてしまったら成長も何もしないじゃないですか。時代が悪いから、親が悪いからで終わらせたら先に進めません。自分が努力すればいい話です」
おばあちゃんも芸人になってからすべてが順風満帆だったわけではない。今も夫の病気や兄の認知症など、数々問題を抱えている。
「年と取って病気になったり認知症になったりするの当たり前。受け入れるだけです。そうした時には、相手にとって一番いい方法を考えればいいんですよ。あとは寄り添って、私のできることだけをすればいい。できないことは皆さんにお願いする。それに私自身もそう先が長いわけではありません。だったら明るく楽しく生きていこうっていうだけです」
ただ舞台に立つだけで力強くも無理しない自然な生き方、老い方を教えてくれる。おばあちゃんの人気の秘訣は、そんなところにあるのかもしれない。
おばあちゃん
1947年2月12日生まれ、東京都出身。東京NSCに24期生として入学し、2019年4月に72歳でデビュー。2023年6月には「神保町よしもと漫才劇場」の過去最高齢となる76歳で劇場所属メンバーとなる。2024年3月には『ひまができ 今日も楽しい 生きがいを - 77歳 後期高齢者 芸歴5年 芸名・おばあちゃん』 を上梓した。
【作品情報】
『ひまができ 今日も楽しい 生きがいを - 77歳 後期高齢者 芸歴5年 芸名・おばあちゃん』 (発行:ヨシモトブックス 発売:ワニブックス)
芸人になった理由や活躍するまでの紆余曲折について、懸命に生きてきたおばあちゃんの人生訓が詰まった初の書籍。