トップになって生まれた責任感と宝塚ならではの良さとは
何度も舞台を見たくなるのは、柚希さんのプロ意識の高さからくるのではないだろうか。一点の曇りのない言葉の数々に、柚希さんの覚悟を感じた。
「トップになるまでは周りから“ああしなさい、こうしなさい”と言われて一生懸命やってきた。それがトップになって、やっと責任感が芽生えたんです。自分がトップになったときに、未熟だったのがいちばん大きいと思います。トップがゴールではなかったから。
宝塚95周年のときに、周りから“100周年まで頑張りなさい”って言われていた。だから100周年までの5年間をかけて、よりいい組を目指して頑張りました。自分自身も、トップになってからどんどんと成長したって感じています」
惜しまれつつも、トップスターを6年務めて、宝塚を退団した。未練はなかったのだろうか。
「100周年を記念して、台湾公演や日本武道館でのコンサートなど、いろいろなことを経験させていただき、自分としては宝塚でできることはやりきった感がありました。でも100周年はいわゆるお祭りイヤーだったので、101周年を目指して、あとはみなさまへ感謝を返すつもりでした」